2018年4月18日水曜日

児童文学者の佐々木ひとみさんが、拙作『福島の花さかじいさん』(佼成出版社)を、ウエブマガジン「みちの」の「みちのく 物語のふるさと紀行」でご紹介くださいました。ありがとうございます。

自らも満開の花見山を訪れてのリポートです。花見山はすてきなところですが、阿部家のストーリーを知ればその何倍もすてきさが増します。

リポートはこちらです。
http://michino.jp/spot/1667





2018年4月8日日曜日

「わかがえりのみず」こどものくにひまわり版2017年9月号

書名:わかがえりのみず こどものくにひまわり版2017年9月号
著者名:唯野元弘
画家名:後藤仁
出版社:鈴木出版



 泉の水を飲むと、若返るという民話です。
 とてもすてきなのは、そのまま額に入れてもいいような力の入った絵であることです。それもそのはず、画家さんは、日本画家でもある後藤仁さん。東京芸大で日本画を学ばれた方です。むかしむかし、というだけで特定できない時代ではありますが、時代の雰囲気が筆遣いからあふれています。

2018年3月21日水曜日

上野の森ブックフェスティバルで、ビブリオバトルをします。


上野の森親子ブックフェスタ2018のイベントとして、5月3日11時より東京都美術館の講堂でビブリオバトル&トークをやることになりました。

バトラー(本の紹介者)は、昨年『ビブリオバトルへ、ようこそ!』(あかね書房)を出した濱野京子さんと、『なみきビブリオバトル・ストーリー』1・2(さ・え・ら書房)を出した赤羽じゅんこさん、おおぎやなぎちかさん、松本聰美さん、そして私の五名です。司会は『ビブリオバトルを楽しもう』(子どもの未来社)を出したビブリオバトル普及委員会の粕谷亮美さんです。私どもビブリオバトル終了後、サイン会テントでサイン会もいたします。どうぞいらしてください。申し込みは、こちら(出版文化産業振興財団のサイト)からです。締め切りは4月15日です。
http://www.jpic.or.jp/event/ueno/application.html


ブックフェスタは、いつもは定価でしか買えない本が、2割引などになったりするとてもお得なイベントです。各出版社、作家団体テントで、いろいろなイベントや、読み語り、サイン会も行われます。

ちなみに5月5日の講演のトークショーに出る翻訳者の土屋京子さんは、大学時代の同級生なので、チラシを見てびっくりしました。というわけで、わたしも申し込みました。

2018年3月13日火曜日

「二人でなら、世界一になれる」光丘真理

書名:二人でなら、世界一になれる
著者名:光丘真理
出版社:PHP研究所
好きな場所:妹や年下の人の面倒をよく見る明るく積極的な髙橋礼華さん、姉がいて人見知りで物静かにじっくり考える松友美佐紀さん。
所在ページ:p137



ひとこと:二年前、リオデジャネイロオリンピックの女子バドミントンダブルスで、金メダルを取ったいわゆる「タカマツペア」のことは、今も記憶に新しいと思います。また東京オリンピックに向けて、もう一度の活躍が期待されるところでもあります。
 そんなタカマツペア、仙台の聖ウルスラ学院英智高校の先輩後輩であったのが縁で組まれたそうですが、実はお二人とも西日本(奈良県と徳島県)のご出身。でもバドミントンがやりたくて、遠く仙台の学校に進学されたのだと、この本を読んで私は初めて知りました。
 作者の光丘真理さんも仙台のご出身。そんなご縁で、タカマツのお二人の生い立ちと活躍の詳細を追いかけられたのが、この本です。
 引用はお二人の性格の違いについての作者の考察です。
 いろいろ違いはあるけれど、共通するものは勝ちたい、強くなりたいという意識。
 がんばってゆかれる姿に勇気をもらえます。

2018年2月17日土曜日

「赤毛のアン」宮下恵茉編訳

書名:赤毛のアン
著者名:L.M.モンゴメリ・作 宮下恵茉・編訳
出版社:KADOKAWA
好きな場所:「だれも、この子をいらないなんて言ってないよ!」
 気がつくと、マリラはそう口に出していました。
「ただ、どういったいきちがいがあったのかを聞きにきただけさ。悪いが、この子は連れて帰るよ」
所在ページ:p31
ひとこと:「百年後も読まれる名作」シリーズの題7巻目『赤毛のアン』の編訳を、このたび、いくつもの児童文庫に重版を重ねるシリーズを持つ、ヒットメーカー宮下恵茉さんがなさいました。



『赤毛のアン』は私も大好きなお話で、自分の子どものころの図書貸し出しカードには何度も出て来ます。家には少年少女世界の名作文学があって、その中には『赤毛のアン』もあったにもかかわらず何度も借りています。さらにシリーズの続きも借り、そのうち飽き足りなくなって、中学生になっては省略なしの大人向けの文庫も読み、シリーズの文庫も読み、「エミリー」シリーズも読み、アンよりちょっと影のあるエミリーのファンになり、さらにもう少し古いジェイン・オースティンという作家にたどり着いたのでした。
 百年後も読まれる名作ということですが、まさしくアンはその名作だと思います。

 宮下さんも「もしもこのお話を読んでおもしろい! と思ってくれたなら、今度はぜひ完訳版(原作そのままの物語)を読んでみてくださいね。」と書かれていますが、これをきっかけに、どんどん世界を広げてゆかれる方が増えますように。
 

2018年2月15日木曜日

「しりとりボクシング」新井けいこ

書名:しりとりボクシング
著者名:新井けいこ
出版社:小峰書店
好きな場所:
 【る】で守る。
 つまり、【る】のつく言葉のひき出しをたくさん作ること。
 それにくわえて、【る】で攻める、というのもあるんじゃないか。
所在ページ:p71
ひとこと:三年生の恭平は、モンシロチョウをめぐる一件で、同級生の健太に義理を感じています。健太はひんぱんに言葉を間違うので、恭平はこっそり教えて手伝ってやっています。
 そこへ学年行事でしりとり大会が開催されることになります。健太は恥をかきたくないと心配しているようです。それで恭平は、健太としりとり大会に勝つ作戦を考えることにするのですが……。

 

 いつもなんとなくやっているしりとりに、作戦を考えるということが、そもそも、子どもには新鮮ではないでしょうか。攻略本のように辞書を使い、勝ちそうな語彙をアイテムのように取得してゆく。現代の子どもさんがたに、とっても共感できる内容だと思います。
「ー」で終わる言葉のときはどうするか、とか小さい文字で終わる言葉のときはとか、「ぢ」と「じ」の違いはどうするか、などしりとりにも適用するときに考えなければならないルールのポイントがある、ということなどもよくわかります。
 しりとりを通じて、いやおうなく言葉に敏感になるし、国語嫌いの子でもきっとしりとりならば、ボクシングのような「格闘技」として受け入れることができます。
 この本を読みながらしりとりをすることで、子どもは語彙を高めることができるに違いありません。

2018年2月14日水曜日

「火のカッパ」うるしばらともよし

書名:火のカッパ
著者名:うるしばらともよし
出版社:国土社
好きな場所:こころの なかに うつるんだよ カッパがね……
所在ページ:p12
ひとこと:浅草のかんのんさまの近くに住むゲンタは、忙しいお父さんお母さんの代わりにおばあちゃんに相手をしてもらいながら育ちます。浅草にはカッパの伝説があり、おばあちゃんはそれをいろいろ聞かせてくれます。おばあちゃんは、人の中にカッパが紛れていて、悪いことをする人はいないかと見ているのだと言う。そして自分には、カッパが見えると言うのです。
 そのうち、戦争が始まり、浅草は大空襲に見舞われることになるのですが……。



この主人公と同じく浅草育ちの作者は「悪さをするとカッパがきて隅田川に連れていかれるぞ」と言われて育ったそうです。東京大空襲で孤児となられ、のちに作家となってからは、ずっと東京大空襲を描き続け、風化させない運動をされています。

浅草のカッパ伝説というのは、前に河童寺につれて行っていただいたときに知りました。巻物があって、カッパがつるはしをふるって河川改修工事をしている図が描いてありました。カッパは悪い人を見はるものでもあり、人を助けてくれるものでもあったのですね。

「ほのおがカッパに見えた」という主人公の言葉どおりの炎となったカッパの絵に迫力があります(え・やまなかももこ)