著者名:山本悦子
出版社:理論社
好きな場所:(中三かあ。大きくなったなあ)
としみじみ思う。
(あのときは、小さな犬っころみたいだったのに)
所在ページ:p90
ひとこと:万丸ビルの六階食堂の名物は、グリングリンに十段もかさねられたソフトクリームだ。みんな、おはしで食べる。
このソフトクリームは奇跡のソフトクリームと言われている。
なぜか。十段かさねるのが難しいからか?
どうもそうじゃなくて。不思議なことが起きるらしい。
山本悦子さんの連作短編です。『日本児童文学』に連載されていましたが、それを加筆されたということです。
私は連載中から、引用のお話「預かった娘」が好きでした。今読んでもやっぱりいいな。小さな犬っころみたいだった亜子が、大きくなって中三に。父が一人でソフトクリームを食べていると向かいの席に座ったのは……。
心がぎゅっとなるお話。それに一歩引いてみると、こういうことってあるよねって思います。いえ、ファンタジーの話ではなくて心の話ですが。まわりの者が、頭の中で、こういう子だと思えばその子はそうなっていく。そう思わなかったら、意外とそうならない。そんなことも考えました。
万丸食堂は、実在する食堂だそうで(ソフトクリームもおはしも本当)一時閉めていたのが、地元の要望で再開されたのも本当らしいです。これを読んだら、一度行って、ソフトクリームをおはしでたべてみたいですよね。







