2021年1月12日火曜日

「オオハシ・キング」当原珠樹

書名:オオハシ・キング ぼくのなまいきな鳥
著者名:当原珠樹
出版社:PHP研究所


好きな場所:オネエチャンテバ ピアノ ヘタスギナイ? モウ聞イテイルノ、ツラインダケド。モット 練習シナイト、マジ ヤバイヨ
所在ページ:p54
ひとこと:四年生のぼく、大橋拓真は、ある日「ほりだしもの屋」というかんばんのある店を見つけます。「ご自由に入って、あなただけのお宝、探してみてください」と書いてありました。中に入っていろいろ見ているうちに、はずみで鳥の絵の描いてあるきんちゃくぶくろを買います。家に帰ってあけてみると、中には、ピンク色の卵みたいなものが入っていました。
 結局その卵をかえすことになり、出てきたのは鳥だったのですが、それがただの鳥ではなく、引用のようなことを言いはじめるのでした……。

 季節風の「ファンタジー分科会」で拝読したお話が、本になりました。分科会では、ペットが自由意志を持ってしゃべるのは大変面白くて魅力がある、でも最後はどうあるべきか、など喧々諤々の議論が交わされたのですが……さすが各賞や課題図書の対象になるような本を次々に出している当原さん、みごとにクリアして本にされました。ほんと書き直しって難しいと毎回思うのですが、本になるかならないかは、実際はそこにかかっているように思えます。実力のある方なので、当然かもしれませんが、あっぱれ、おめでとうございます! たくさんの方に読まれますように!

2020年12月14日月曜日

「こんなときは!」森埜こみち

書名:こんなときは!
著者名:森埜こみち
出版社:銀の鈴社


好きな場所:自分を見失いそうなときは 狐になる
自分の匂いと そうじゃないものの匂いを
しずかに しずかに かぎわける
所在ページ:p9
ひとこと:今年は日本児童文芸家協会賞の授賞式はありませんでしたが、今年『蝶の羽ばたき、その先へ』で受賞されたのが、森埜こみちさんです。
 森埜さんのすごいところは、一冊目『わたしの空と五・七・五』がちゅうでん児童文学大賞を取って本になり、それが児童文芸新人賞を受賞され、二冊目『蝶の羽ばたき、その先へ』が日本児童文学者協会長編児童文学新人賞を取って本になり、それが日本児童文芸家協会賞を受賞され、と一冊で二度賞を取っておられるという、まさに一粒で二度、完成度の高い方だということです。

 そんな森埜さん、次はなんだろう……と思っていたら、意表をついて詩集で来られました。いえ、森埜さんの最初の本は俳句をテーマとしたもので、中に出ている俳句はみんなご自分のお作でしたから、形体は違っても詩をお書きになるというのは、わからなくはなかったのですが。

 でも読んでびっくり。
 とってもすてきなんです。
 扉に「生きているといろんなことがある」とありますが、ほんとそう、こんな時あるよねと共感の持てる詩ばかりです。下田昌克さんの絵もモノクロですが、とってもいいです。
 大きさも手のひらにのるぐらい。
 机の上に置いておいて、落ち込んだときなど、ひろげて見たい、そんな感じです。

 

2020年12月5日土曜日

「ごいっしょさん」松本聰美

書名:ごいっしょさん
著者名:松本聰美
出版社:国土社
好きな場所:妖怪 ごいっしょさん
日本各地、どこにでも出没する。男の子のすがたをしている。だれもいないと思うのに、ポンと、からだになにかがあたったと感じたとき、すばやく「ごいっしょさん、ごいっしょさん、ごいっしょに」と、となえると、そばにいてくれるようになる。いっしょにいて、パワーをくれる。



所在ページ:p16
ひとこと:はじまりは、妖怪博士のおれ、関洋太に、宮本くんが話しかけてきたことからでした。宮本くんは妖怪ごいっしょさんを知っているかと、聞いたのです。おれは知らないと答えたのですが、宮本くんはぜったいいる、というのです。
 宮本くんはそれから大きな手術をすることになり、クラスで手紙を書くことになりました。オレは「がんばってください」としか書けなかったのですが、後から思いついて、引用のようなことを書いて、絵も添えて、宮本くんの家のポストに入れてきました。
 そうしたら、オレがこしらえた妖怪だったはずなのに……。

 すてきなお話、Be子どもと本の読書会の創作合宿で読ませていただいてから、たとえ筋は忘れてしまってもこのおまじないのような「ごいっしょさん、ごいっしょさん、ごいっしょに」という言葉は頭から離れず。お人柄が柔和でやさしい作者の松本さんらしいお話。ほんとすてきなお話。読んだ子が、大変なときに「ごいっしょさん、ごいっしょさん、ごいっしょに」と唱えてくれたらって思います。

2020年12月2日水曜日

「あしたのことば」森絵都

書名:あしたのことば
著者名:森絵都
出版社:小峰書店
好きな場所:うちも真紀ちゃんも悪なくて、あかんのは馬や。
所在ページ:p31




ひとこと:光村図書小学校教科書「国語6」に掲載された「帰り道」を巻頭に、主人公もテイストも全く違う8つの短編が掲載されています。全く違うのに、気持ちが途切れることなく最後まで一気に読めるのがすごいです。
 イラストも各編、それぞれ違う画家さんが担当して、カバーも違う方。各編の最初に見開きで大きなカラーイラストがあって、それがまるで表紙のようで、ぜいたくな限りです。
 なので、絵も含めて、次はどんなお話かな、と楽しみに読めます。昔は少年少女世界文学全集というのがあって、こんな風に次はなんだろうとうきうきしながら読んでいたっけ。でもこれは一人の作家さんの作品ですからすごい。
 こんなこと子どものころ考えてたな、引用のようなことだれかに言ってもらっていたら楽だったのにな、と思うことばかり。加えて各所に意外な展開が。いやあ、おもしろかった。

 などと感心してばかりですが、先日私ども季節風の編集会議で、短編として仕上げることについて話題になったばかりです。仕上げることにとらわれては、無難なばかりで、ちんまりしてしまいます。ですが、書きたい気持ちばかりでは、気持ちだけからまわりで、内容はばらばらで。長編になるような内容をつめこんでも短編にはならないし。やっぱり内容が一番ですが、それでも仕上げ感は大事だと私なんかは思います。でもなにをおいてもこれが言いたかったの、っていうユニークな肝がなにかなければ個性のある作品にならない。難しいです。本当にこういうの、書き手としてお手本にしたいです。
 

2020年12月1日火曜日

「児童文学塾」単行本は1月20日発売です!

先日オンライン講座でお話しました日本児童文芸家協会の『児童文学塾』の単行本は、1月20日発売だそうです。雑誌『児童文芸』に広告が載っていました。


ちょっとスキャンがうまくいきませんでしたが、書いてあるのは

定価1500円+税で、2021年3月末受付分まで送料無料だそうです。
お申し込みは、お名前・ご住所・購入冊数を明記のうえ、メールまたはファックスで、日本児童文芸家協会事務局までお知らせくださいとのこと。
メール edit@jidoubungei.jp
ファックス 03-3262-8739

後日、協会ホームページからも購入可能になるとのことです。

とても情報量の多い本ですので、ぜひお買い求めください。(そうです回し者です 笑い)

2020年11月29日日曜日

「キニ子の日記 下」間部香代

書名:キニ子の日記 下
著者名:間部香代
出版社:WAVE出版
好きな場所:ホラ男くんは課題図書ではなく、『ホラふきパイロットとうそつきフラミンゴのありそうでなかった夏』という、見たことも聞いたこともない本の感想文を書いたらしい。
所在ページ:p66


ひとこと:前にご紹介した『キニ子の日記 上』は、満塁小学校6年F組のキニ山キニ子さんが、担任の須原C介先生に出したいときに出せばいい日記の宿題でした。

 でもそれは8月までの日記だったので、これはその続き、9月からキニ子さんが、小学校を卒業するまでの日記です。
 キニ子さんの「気になる」いろんなことは、絶好調で加速していきます。わあ、こんなこと気になるんだ。「おにのパンツ」とか「キーボード」とか。引用は「読書感想文」が気になったところの日記です。個性豊かなキニ子さんの友人の一人「ホラ男」くんは、こんな本読んでたんですね~~。そうか、読書感想文についてC介先生はこんな風に考えてたんだ。
 さすがキニ子ちゃんの日記に個性的なコメントを下さる先生だ。それにしてもC介先生に双子のきょうだいがいらしたなんて……。いやそれにキニ山家は猫ちゃんまで個性的。渋滞を引き起こすんですから。
 と、上下読んだら、いろいろなことについて考えるきっかけになっただけじゃなくて、まったくキニ子ちゃんファミリーやクラスと知り合いになったみたいな気分です。

 なんのことかわからない? それならぜひキニ子の日記を読んでみてください。kindleでも出ているそうです。
 上下でクリスマスカラーなので、プレゼントにもぴったりです。
 

2020年11月24日火曜日

国分寺ブックフェスティバルでビブリオバトルに参加しました


「なみきビブリオバトル・ストーリー」シリーズを書くにあたって、ビブリオバトルをレクチャーしてくださったサンタポストの粕谷亮美さんにさそわれて、国分寺ブックフェスティバルのビブリオバトルに行ってきました。

 毎年この時期にあるブック・フェスティバルですが、今年はコロナに配慮して、あまり大々的なさらずに、ビブリオバトルも広いホールにばらばらと観客席を設定して、なさっていました。
 小学生のビブリオバトルに行くと、赤羽じゅんこさんもおられて、急きょ著者ということで、バトラーの小学生さんにサインをすることに……あの、近所に行くような恰好で行っちゃったんですけど……でも、わああっと喜んでいただきました。本を用意してくださった粕谷さん、ありがとうございました。

 このお三人、読書量が半端なく、しっかりと発表していらして、感心しました。