著者名:赤羽じゅんこ
出版社:国土社
好きな場所:p56
所在ページ:だってカメラがほんとうのことを写していた時代は、終わってしまったのだから……。
ひとこと:国土社の「休み時間にサクッと読み切れる」「休み時間で完結」のパステルショートストーリーシリーズの11冊目です。このシリーズは、短編のアンソロジーを一人の作家が1冊書くというもので、それぞれに色がフィーチャーされています。
今回はSilver。銀色です。
赤羽さんは、以前Pinkで『ちょっとねがっただけ』も書かれていて、シリーズ2冊目です。
今回は、知能もあるが心もあるというAIを、ある謎の研究所が製造しているという設定で、6話のSF的な不思議なお話が書かれています。
実際、AIには心が生じるのか、それともAIの言ったりしたりすることに心があると読み取るのは人間の心のほうなのか、という問題は、一見シンギュラリティ―の問題のように思われていますが、実は別のことです。でも、不思議さという点では同じかもしれません。
引用の、カメラがほんとうのことを写していた時代は終わった、というのも今まさにAIによるディープラーニング画像生成で問題になっていることでしょう。
今の小学生、中学生はそういう時代に向けて大人になっていくんですね。
このシリーズは中学生にも人気らしく、もっともっと続いていくといいなと思います。