2024年12月17日火曜日

『ミルキーウェイ 竹雀農業高校牛部』堀米薫(新日本出版社)

書名:ミルキーウェイ 竹雀農業高校牛部
著者名:堀米薫
出版社:新日本出版社


好きな場所:人は、未来を想像できる能力が高い。けれども牛や多くの動物は、今という瞬間を全力で生きている生き物なんだ。
所在ページ:p92
ひとこと:夢生は母と二人暮らし。ハムスターを飼ったことをきっかけに、竹雀農業高校に進学する。動物がいると聞いたのもあるが、あと一つは母に心配をかけないようにしたいと思ったからだ。
 高校に入るなり、牛といっしょに歩いている女子学生を見る。その人は、自分は「牛部」だといい、授業前と放課後に実習用の牛の世話をする部活なんだという。
 さそわれた夢生は、牛部に入ることにする。
 しかしきれいごとだけではなく、いろいろやらなければならないこともあり、畜産という職業の厳しさも知ることになる。

 宮城で農業と林業をしながら、作家活動をされている堀米薫さんの最新作です。堀米さんのおうちはたくさんの肉牛を飼っておられます。でもこのお話は、乳牛の話。同じ牛ですが、やはり違いがあるはずで、きっと堀米さんは綿密な取材をして書かれたのだと思います。何より牛のあたたかさ、かわいさが余すことなく描かれています。
 絵は堀米さんの『林業少年』にも挿絵を書かれたスカイエマさん。たしか林業少年のときもそうでしたが、カバーを外すと、表紙にはまた違う絵があって、目を引きます。スカイエマさんファンにはたまらないことでしょう。
 新日本出版さんは「こんな部活あります」シリーズを刊行中でいらっしゃいますがそれは中学生のお話です。これは高校生の部活のお話ですが、きっと小学生も中学生も読めることと思います。たくさんの方に読まれますように。