著者名:野泉マヤ
出版社:文研出版
好きな場所:伝統野菜のタネは、ふだんは販売されていないので、そのタネを持っている人を見つけて手にいれるしかありません。
所在ページ:P57
ひとこと:スーパーなどで買える野菜は品種が限られています。一定の品質のものを、一定の数量出荷できなければ、商売にならないからです。
でもその裏で、市場に出回らずに消えていく野菜もあるはずだなあと思っていたところに、この本です。
六年生の城崎鈴は、仙台に住んでいるのですが、宮城県北東部の小瀨という町にやってきました。ここは母の故郷で、おじさん夫婦が住んでいるのです。母は同級生と会いにでかけてしまい、おじ夫婦もでかけて、ひとりだけ古い家に残されます。ひまなのででかけたところで、白い花の花畑に入り込みます。その花畑こそ、まぼろしの小瀬菜大根の畑だったのです。
戦後に開発された大量生産に向いたF1種と、伝統野菜は違うということ。また伝統野菜は種をもっている人がいなくなったり、栽培方法を知っている人がいなくなったりすると絶えてしまうことなど、知りませんでした。
作者の野泉マヤさんは、小瀬菜大根の継承活動に尽力されている方。
種の保存、遺伝子の多様性、伝統の存続という意味でも、こういう活動は本当に大事だと思います。
小瀬菜大根が絶えずに、これからも栽培されますように!