著者名:森埜こみち
出版社:講談社
好きな場所:「そのひとも、伯母さんのすこしずつの親友?」
「もちろん。わたしの愚かさを教えてくれた、とてもたいせつな友人」
所在ページ:p71
ひとこと:わたしは、伯母さんに、親友ってどうやったらつくれるのか、と聞きますが、伯母さんは、親友はつくるものじゃなくて、出会うものと答えます。いつ出会えるのか、と聞くわたしに、わからないけれど、すこしずつの親友になら、すぐにでも出会える、と言います。
そして、旅の中で出会った「すこしずつの親友」について、話してくれるのでした。
忘れがたい人ではなく、「すこしずつの親友」という新鮮な発想。森埜こみちさんの詩集『こんなときは!』に共通する哲学のようなものを感じます。
確かに、全人的な親友を求めようとすると、すごく負担だし、裏切ったの裏切られたの、期待したの期待に外れたのと、どろどろの世界が待っていますが「すこしずつの親友」をいっぱい持っていると思えば、世界が広がるし、感受性も豊かになる。
そしてなにより、一人でいることに罪悪感を感じることがなくなると思います。
とってもいい言葉「すこしずつの親友」
ないものではなくてあるものを大事に、という考えにも通じるかな。
こういう考えを若いときに聞いていたら、もっと楽だったかもと思います。
ぜひ思春期にさしかかった人たちに読んでいただきたい本です。