著者名:赤羽じゅんこ
出版社:国土社
好きな場所:p29
所在ページ:教室の中で、とくにクスクスムシシが集中しているところがあった。
レイヤくんのつくえだ。レイヤくんはこのごろ、学校にこない。不登校になってしまっている。
そのつくえにたくさんのクスクスムシシが集まっていた。
ひとこと:赤羽じゅんこさん作『トゲトゲトカゲをつかまえろ!』(国土社)の続編です。
トゲトゲトカゲがはりつくと、子どもたちがいらいらするというお話でした。
そのトゲトゲトカゲが見えるようになったのは、ジジというふしぎなおじいさんが渡してくれた目玉のいっぱいついたひもが、主人公の手に巻きついたからでした。
今回の主人公沙帆も、ジジに会い、目玉のついたひもを手わたされます。そうすると、教室の中にいるクスクスムシシが見えるようになるのです。
どうも引用のように、クスクスムシシは、聞きたくないようないやなうわさに関係しているようですが、教室中に蔓延しています。どうしたらいいんでしょう?
前回もおもしろかったですが、今回も子どもの日常的ななやみごとと、ファンタジーがみごとに融合して、おもしろいです。
そして、沙帆が育てることになるこの表紙の鳥、ホンキ鳥がとってもかわいくて、そして美しい。沙帆が育てながら、いろいろ学ぶところ、最終的にけんかしていた友だちの気持ちがわかったところなど、幼年ものとして大事なところがしっかり押さえられています。
リアルもいいけれど、ファンタジーも子どもには大事。どちらも成長には欠かせないとわたしは思います。
この続編があったらいいけど。