著者名:小手毬るい
出版社:さ・え・ら書房
好きな場所:「サステナブル、サステナブル、サステナブル」
心のなかで三回つぶやいたあと、このことばの意味を思いだした。五年生のとき、理科の先生が教えてくれた。サステナブルには「環境破壊しないで、継続させていく」という意味がある。つまり「サステナブル・ビーチ」とは永遠につづいていく、持続可能な、破壊されていない海辺、という意味だ。
所在ページ:p76
ひとこと:児童書におけるSDGs扱いの嚆矢ともいえる、さ・え・ら書房さんが、SDGsの本をまた出版されました。今回は中・高学年向けの物語で、人気の小手毬るい先生のお作品です。七海は、おとうさんが日本人でおかあさんがアメリカ人。英語はあまりできなくて、混血なので見かけが目立つのがいや、できれば普通でいたいと思っている子です。でもおかあさんといっしょにハワイのオアフ島に行き、アーティストのオーガストさんに会って、海のことを考えるようになり、変わっていきます。
SDGsというのは、持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)ということですが、ではなんだ、というとたぶん「サステナブル」とはなにか、でつまづく方が多いのでは。
国連で採択された目標で、だれひとり取り残さない、ということを軸にしているので、ひとつひとつの目標は他の目標と抵触することもあって、一つを無理に追及すると、他にひずみが出たり、先進国にはいいけれど低開発国にとっては是認できないというものはおし通せないということなどあって、正義一本やりでは、なかなかわかりにくく、難しく。
でもやっぱり基本として大事なのは「サステナブル」なので、引用のところは、とってもわかりやすいと思います。
さ・え・ら書房さんには、ほんとに絵本も含めて、たくさんSDGsのいいご本があるので、私も順番に読んでみたいと思います。