著者名:濱野京子
出版社:あかね書房
好きな場所:けどねえ……。いつも途中で止まっちゃうんだ。最初のうちは、自分でもおもしろそう! って思って書き進めるんだけど、そのうちに、どうしていいのかわかんなくなって。
所在ページ:p79
ひとこと:六年生の碧衣は、学校で小さなノートをひろいます。そこには『妖精リーナの冒険』という物語が書かれていました。でも途中まで。続きを読みたくてしかたなくなってしまった碧衣は、これを落とし物として届ける気にならず、持ち主=作者を探すことにしました。
作者は意外な人物。続きを書いてと頼むと……。
主人公碧衣は、特に夢中になれそうなことのない子。それが一つの悩みでもあります。物語を書くわけではなく、でも読むのは好き。その碧衣が、別の子に出あって、夢中になれることをみつけます。それは、物語を書く子に対する励ましとアドバイス。物語を書く子のほうも、碧衣に出会って、引用のようにつまづいていたのを打開していきます。そしてもう一人、碧衣からのアプローチで、夢中になれることをみつけた子がいて……。
あかね書房さんから出ている濱野さんの一連の本は、シリーズではありませんが、本に関するいろいろな側面を取り上げていて、ほとんどシリーズのようだと思います。
最初は『アカシア書店営業中!』で、本屋さんの話。次は『ビブリオバトルへ、ようこそ!』で、ビブリオバトルと学校図書館の話。その次は『夏休みに、ぼくが図書館で見つけたもの』で、公共図書館の話。そして今度の『わたしたちの物語のつづき』は、創作と本にまつわるいろいろな職業の話。
どれも濱野さんの本に対する愛情が、あふれています。
子どもを対象とする創作コンクールや、講座が各種設けられている中で、創作をしたい子にも実践的な導きになる本です。