2020年12月5日土曜日

「ごいっしょさん」松本聰美

書名:ごいっしょさん
著者名:松本聰美
出版社:国土社
好きな場所:妖怪 ごいっしょさん
日本各地、どこにでも出没する。男の子のすがたをしている。だれもいないと思うのに、ポンと、からだになにかがあたったと感じたとき、すばやく「ごいっしょさん、ごいっしょさん、ごいっしょに」と、となえると、そばにいてくれるようになる。いっしょにいて、パワーをくれる。



所在ページ:p16
ひとこと:はじまりは、妖怪博士のおれ、関洋太に、宮本くんが話しかけてきたことからでした。宮本くんは妖怪ごいっしょさんを知っているかと、聞いたのです。おれは知らないと答えたのですが、宮本くんはぜったいいる、というのです。
 宮本くんはそれから大きな手術をすることになり、クラスで手紙を書くことになりました。オレは「がんばってください」としか書けなかったのですが、後から思いついて、引用のようなことを書いて、絵も添えて、宮本くんの家のポストに入れてきました。
 そうしたら、オレがこしらえた妖怪だったはずなのに……。

 すてきなお話、Be子どもと本の読書会の創作合宿で読ませていただいてから、たとえ筋は忘れてしまってもこのおまじないのような「ごいっしょさん、ごいっしょさん、ごいっしょに」という言葉は頭から離れず。お人柄が柔和でやさしい作者の松本さんらしいお話。ほんとすてきなお話。読んだ子が、大変なときに「ごいっしょさん、ごいっしょさん、ごいっしょに」と唱えてくれたらって思います。