著者名:おおぎやなぎちか
出版社:佼成出版社
好きな場所:「ぬすんだなんて、人聞きのわるい」
「やっぱり、かえして!」
「だから、かえすよ。あした先生にいう」
「それは、だめ」
「じゃあ、どうすればいいわけ」
所在ページ:p66
ひとこと:三年生の七実は、遠足で俳句をつくります。それはクラスの清花がさるに帽子を取られたところを詠んだものでした。
しかし、それはどういうわけか、早知恵のものとして賞を取ってしまいます。
自分の句だといいたい七実。返したい早知恵。なのに七実は自分の句だと知られてしまっては清花が怒ると思って、いらないと言います。いったいいるのかいらないのか。
わけのわからないけんかが始まり……さあ、どうなるでしょうか。
七実の葛藤に、共感する小学生もいると思います。
なによりここに出てくるたくさんの俳句と、その作り方に、私もぼくも作ってみたいと思う子が出てくるにちがいありません。
作者のおおぎやなぎちかさんは、俳句の先生。自由自在に作句され、登場人物と場面に合わせた俳句がとんとんと並びます。やりたくてもなかなかできることではありません。その点、他にない本になっているような気がします。