本の中には愛読者ハガキがはさまれていると思います。こういうやつ。
この威力を知らない方が多すぎます(おおげさすぎます?)捨てていませんか? それともしおり代わりにしてます?
これ出さないですか?
たしかに無料じゃありません。63円の切手を貼らなければならないかもしれません。切手代はいらないとしても、ポストまで歩かなければならないかもしれません。
しかし、この本はいいよ、こんな種類の本がもっと欲しいということを出版社に訴えるにはいちばんいい方法なんです。
担当編集者さんは、もちろん自分の担当した本はいいしすばらしいと思っています。
でもそれを他の編集者さん、営業さんに伝えるとなると、いいすぎてはえこひいきじゃないかと思われるのを恐れてい(ると思い)ます。なぜなら担当さんと著者は、本を出すということに関しては共犯だからです。そして出版社は他の本もたくさん出しています。
でもそこへ、このハガキが来たらどうでしょう?
それは担当さんだけではなく、会社のできごとになります。
担当さんと著者だけの問題でなくなるんです。この客観性。これが大事です。
このハガキは社内で見られるかもしれません(私はよくわかりませんが)。
営業の方がごらんになるかもしれません。
ふつうは本の評判は、売れた数で測定されます。
でも図書館で百人読んでも一冊です。おうちで子どもさんが毎晩「読んで読んで」とせがんでも一冊です。
一度読んでどこかに忘れてしまった一冊(私の本がそうならないことを祈っていますが)との違いを表すのは、このハガキなんです。
どうぞ愛読者ハガキを出してください。
図書館で借りた本ならば、官製ハガキでかまいません。
読んだ、おもしろかったのひとことでも。
反響のない、部数の出ない本は、どんどん絶版になっていきます。それはしかたないんです。反響がなく売れなかったんですから。そこに文句をいってもしかたありません。
おもしろいな、いいな、と思ったときだけでかまいません。どうぞ、ハガキを。よろしくお願いします。