著者名：長江優子
出版社：岩波書店
好きな場所：太陽に寿命があるように、この世界に永遠なんてないからね。形あるものは遅かれ早かれ消えていくと思えば、こういう表現方法があってもいいと思うんだ。
所在ページ：p117
ひとこと：『サンドイッチクラブ』というタイトルで、表紙の絵はサンドイッチ。きっとお料理のお話だろうと思うところでしたが、おや？ この絵のサンドイッチのあちこちにいる子たちは、手になにかもっていますが……お料理しているようには見えません。何をしているのか、ヒントは、カバーのこの色にありました。
六年生の珠子は中学受験のため塾で勉強していましたが、進度が早すぎてついていけず、母に薦められて個別指導の塾にも入っています。その個別指導の塾には羽村ヒカルという成績抜群の子がいて、でもこの子がなんだかなぞめいていて……。
中学受験に悩む珠子と、きっぱり将来の夢を決め努力するヒカル。家庭環境も、考え方もひどく違うように思えるのですが……ふとしたことから二人は「サンドイッチクラブ」を結成し、ある男子と勝負することになります。
将来の夢ってなんだろう、きっぱり持っているということは、どういうことなのか、いいのかどうなのか、なかったらだめなのか、各自が考えるきっかけになるお話です。受験をしている子にもいろいろなタイプがあるというお話でもあり、そして引用のように、芸術とはいったいなんだろう、というお話でもあります。
アーティストのシラベさんがとってもすてき。
