2020年1月15日水曜日

「中の人などいない」森川成美 日本児童文学2020年1・2月号

作品名:中の人などいない
著者名:森川成美
掲載誌:日本児童文学2020年1・2月号
好きな場所:ここに来るしか、もう、わたしには生きていくすべがなかったのだ。わたしはせっぱつまっていた。
所在ページ:p38
ひとこと:新春創作特集の短編でお題は「ゆるゆる」というご依頼をいただいたとき、ええっ、どうしよ~~と頭をかかえました。もちろん書きますと、ソッコーお返事した後の話ですが。
 ゆるゆるってなに? パンツのゴムしか思いうかばないけど。他にゴムっていったらフラダンスで使うパウスカートぐらい。発表会本番でゆるゆるって脱げちゃったって話にする? いやいや、お題はゴムではない……。
 なんて頭をひねったあげく、思いついたのが「ゆるゆるキャラクターコンテスト」のお話でした。
 あれって、中身と外見と違いますよね。同じなら「中の人などいない」。でもみんなは中の人がいると思っている、でも同じという共通認識のもとにいる。そんな二重の構造を、楽しんでいただければ幸いです。こういうことって、実はキャラクターでなくてもよくあるんですが……気が付かない場合もあるのです。
 

 事情で私の手元に来たのは昨日でしたが、刊行後すぐに「最高でした!」とメッセージをくださった方がおられて、とってもうれしかったです。

 創作競作で、季節風からイノウエミホコさん、安田夏菜さん、おおぎやなぎちかさん、かんだしげるさん、森くま堂さんが書かれています。森くまさんは「パンツのひも由留座衛門」。パンツにしなくてよかった!
 なみきビブリオチームからは、松本聰美さん、おおぎやなぎちかさん、わたしの三人ということにもなります。
 全国書店で注文できます。たぶん日本児童文学者協会にも注文できます。