2018年11月18日日曜日

「落語ねこ」赤羽じゅんこ

書名:落語ねこ
著者名:赤羽じゅんこ
出版社:文溪堂
好きな場所:笑われることが続くと、そのうち笑い声を聞くだけで、自分が笑われているのではないかと思うようになりました。
所在ページ:p56

ひとこと:「なみきビブリオバトル・ストーリー」シリーズでごいっしょさせていただいた赤羽じゅんこさんの新刊です。
 赤羽さんは落語に造詣が深く『がむしゃら落語』(福音館書店)で産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞されているぐらいです。
 今度もタイトルにたがわず落語に関するお話です。
 
 五年生の七海は、入院するおじいちゃんの家から、デブ猫を預かって帰ります。その帰りがけ公園で一休みしていると、なんと猫がしゃべったのです。猫は、自分は如月亭大福という落語家だと名乗ります。大福はもともとこの猫、クマハチの飼い主だったのですが、道路にとびだしたクマハチを助けようとして、車にはねられて死んでしまったのだといいます。幽霊になって猫にとりついたのはある心のこりがあったから。
 一方、七海のほうも悩んでいます……というのも女子の友だちとうまくいっていないのです……それはだんだんエスカレートして、ついに引用のように……。

 ほんとこの大福のとりついた猫がかわいくて。しゃべるし、なぐさめてくれるし、相談にものってくれるし、落語も演じてくれるし、もふもふだし。こんな猫ほしい!と思ってしまいます。
 赤羽さんの物語は、今、そこに悩んでいる小学生がぐっとくるようなヒントがたくさん含まれています。勇気をもってがんばろう、いや、がんばらないでクマハチ(大福)のいうようにやってみようか、と思えるのではないでしょうか。