2025年8月15日金曜日

『みちのく妖怪ツアー プレイミュージアム編』佐々木ひとみ・野泉マヤ・堀米薫(新日本出版社)

書名:みちのく妖怪ツアー プレイミュージアム編
著者名:佐々木ひとみ・野泉マヤ・堀米薫
出版社:新日本出版社


好きな場所:山形では、寒い冬の間にお餅を干して乾燥させ、凍み餅を作る。凍み餅を油で揚げてから、甘じょっぱいたれにひたして食べると、さくさくして最高においしいんだ。
所在ページ:p51
ひとこと:「みちのく妖怪ツアー」シリーズは、8年前に宮城県在住の作家さん佐々木ひとみさん、野泉マヤさん、堀米薫さんが企画して立ち上げられたものです。各県の妖怪と食べ物、名物、風俗、慣習などを織り込んだこわいお話で、1年に一冊ずつ刊行され、この「プレイミュージアム編」が8巻目という。シリーズものがなかなか出ない今、8巻も続くというのはすごいことで、読者さんから支持されている証拠ですね。

 毎回設定が違いますが、今回は各県の催事場などで開かれる「プレイミュージアム」という体験型の展示に行った子たちが、妖怪に会うという設定です。
 引用は、堀米薫さんの「サトリ」というお話です。
 六年生の真奈は、山形のおばあちゃんの家に遊びにいき、プレイミュージアムに連れていってもらいます。真奈は実は学校で浮いていて、理由は人の気持ちをさもわかっているみたいにしゃべるからです。プレイミュージアムで会った女の子、サトミと仲良くなって、ミュージアムをまわり、さそわれて特別会場に行ってみると……。
 サトリは人の心の中を読んでしゃべる妖怪ですよね。サトリ、サトミ、なんかありそう。

「みちのく妖怪ツアー」の魅力の一つは食べ物。引用の凍み餅は、お餅のフリーズドライというところですが、寒いところの名物です。油で揚げて甘じょっぱいたれにひたして食べる、いやー一度食べてみたいです。
 今度どこかで買って帰ろうかな。

 

2025年8月4日月曜日

『サンショウウオの歌が聞こえてくるよ』(新日本出版社)に関して全国に記事が載りました

『サンショウウオの歌が聞こえてくるよ』(新日本出版社)に関して、共同通信さんから取材を受け、配信されました。

「楽しさ優先『ゆる部活』」というタイトルで、楽しめる部活を地域と共にというご趣旨の記事です。
 出身地の大分合同新聞にも載りました。こんなです(記事はぼかしてあります)。

 
 掲載があったのは大分合同新聞のほかは
   下野新聞
   埼玉新聞
   茨城新聞
   千葉日報
   山梨日日新聞
   静岡新聞
   伊勢新聞
   中国新聞
   日本海新聞
   山陽新聞
   山陰中央新報
   宮崎日日新聞
   沖縄タイムス
   佐賀新聞
   福島民報
   高知新聞
 です。
 取り上げていただいて、感謝です。
   
   

2025年7月28日月曜日

『ともに前へ! 伊達武将隊奮闘記』佐々木ひとみ(新日本出版社)

書名:ともに前へ! 伊達武将隊奮闘記
著者名:佐々木ひとみ
出版社:新日本出版社




好きな場所:佐藤さんたち男性陣は、着ていたTシャツを脱ぎ捨て上半身裸になって発声練習をはじめた。
 すると、近くのマンションの住人から「ビルの屋上で半裸で叫んでいる男たちがいるが、どういうことだ!」と苦情が来た。
所在ページ:p38
ひとこと:もう十年以上前のこと、佐々木ひとみさんと「季節風」の大会の合評会でご一緒したときのことです。ひとみさんは、この伊達武将隊のことを書かれた原稿を出されました。で、そのあと熱く語られたのが、近くのビルでけいこしているこの方々を見たとき、その純粋さに感動したということだったと覚えています。
 ひとみさんはそれから、『兄ちゃんは戦国武将!』(くもん出版)と、『エイ・エイ・オー! ぼくが足軽だった夏』(新日本出版社)と伊達武将隊をモデルにした本を出されています。
 その取材ぶりはすごくて、物語の中には、収まりきれないほどだなと、常々思っておりました。
 それがこのたび、ノンフィクションとして伊達武将隊を取り上げられたということで、よりはっきりとこの方々の活動が私どもによくわかって、ひとみさんの熱意が実られたようでうれしいです。

 伊達武将隊というのは、仙台・宮城の観光の顔として動く、役者さん集団です。
 そのうちの二人の若者を取り上げておられます。
 お二人とも大学を辞めて役者をめざしておられた方々でしたが、お一人は侍のアルバイトがあると聞き、お一人は芝居をして仙台のためになる仕事があると聞き、応募されます。
 これが震災直前。
 そして震災を経て、より仙台・宮城のため、という目標に拍車がかかり、戦国武将になりきって、動きはじめられるのです。

 若い方の生き方、進学や企業への就職にとらわれない生き方があこがれられ、また求められている昨今、この方々の思いは、きっといろいろな方の心を打つことと思います。
 

2025年7月15日火曜日

『季節風』163号がきました

『季節風』163号が来ました。

拙著『サンショウウオの歌が聞こえてくるよ』(新日本出版社)の書評を、千秋つむぎさんが書いてくださっております。ありがとうございます。


「部活において仲のよさよりも大事なこと」というタイトルで、読み込んでくださっております。ありがとうございます。校長先生の言葉も、ちゃんと汲んでくださってありがたい限りです。

いつもではありますが、今号は中身がすごいです。
お医者さんの井嶋敦子さんが子どもの病気にかんするルポを書いてくださっていますし、この前まで哲学の連載をされていた月島晴海さんが、美術に関する評論を書いてくださっています。どっちもとってもおもしろい。
それからこの前デビューされた小林史人さんと、橋長あこさんが新しい風でデビューの経緯を語っておられます。
また季節風大会は、世話人が若干交代になっておりますが、新世話人による呼びかけ文もあります。
何より、特別企画第二段2024年秋の座談会が圧巻です。
あさのさんに叱られているのは主に余計なことを言っている森川ですが、叱られたとき「あ、巧(『バッテリー』の主人公)に叱られた」と思いました。だいじなことは自分の中にある。ほんと書くたび、迷うたびに、最初からこれを読み直して、自分に活を入れなおしたいと思います。保存版です。年をとると叱ってくださる方はなかなかいないのに、こういう気持ちにさせてくださる季節風はほんとありがたいです。

2025年7月14日月曜日

『さぴあ』2025年8月号に著者インタビューを掲載していただきました

拙著『たとえリセットされても』(文研出版)が、SAPIXの第29回さぴあ作文コンクールの高学年向け課題図書になりましたので、情報誌『さぴあ』2025年8月号に著者インタビューで掲載していただきました。


さぴあお持ちの方、ぜひ読んでくださいね!

2025年7月13日日曜日

『サンショウウオの歌が聞こえてくるよ』(新日本出版社)が、『生物の科学 遺伝』という雑誌の新刊紹介にて書誌情報が掲載されました

拙著『サンショウウオの歌が聞こえてくるよ』が、『生物の科学 遺伝』という雑誌の新刊紹介にて書誌情報として掲載されました。

以下、ご覧になれます。


https://seibutsu-kagaku-iden2.jimdoweb.com/newbooks/

科学雑誌の新刊情報として掲載されるのは本当にありがたいです。

科学雑誌が取り上げてくださったということは、少なくともお読みになって科学的に問題なかったということだと思います。




前の、『おはなしサイエンス 遺伝子工学 光るマウスが未来を変える』(講談社)は、監修はつきませんでしたが、のちに静岡厚生病院 小児科/日本小児科学会 専門医/第64回 日本臨床ウイルス学会 学術集会 会長の田中敏博先生がご推薦くださっております。


たぶん、私の出身が文系なので、こいつは信用ならない、いい加減書いてる、というイメージがあるかとも思うのですが、そうではないということがこれである程度わかっていただけると思います。

2025年7月4日金曜日

『あたしは勇者になれますか?』荒木せいお(岩崎書店)

書名:あたしは勇者になれますか?
著者名:荒木せいお
出版社:岩崎書店


好きな場所:だって、あとになって気づくとさ、気づいていなかった時間を、もう一回、『本当はこうだったんだ』って楽しめるわけでさ、うれしいのが倍になるじゃないか
所在ページ:p97 
ひとこと:四年生の可乃子は、伝説のエクスカリバーとみんなに呼ばれている校庭の抜けないペグを抜いてしまう。そのあとなぜか、手にボタンができてしまう。勇者となった可乃子は、このボタンで何かができるのか? 魔女といううわさの教頭先生は、本当に魔女なのか? そしてこのお話はファンタジーなのか、リアリズムなのか?

 荒木せいおさんの描く小学生は、本当に小学生らしい小学生で、うれしくなってしまいます。アイスクリームを投げちゃった可乃子もそうですが、可乃子が教頭先生に「力になってあげて」と頼まれている晴彦くん、計算問題を解くときに、肩をゆらし、九九の歌を歌わないとだめなんだとか、かわいい。で、だめだめな子かと思えば、引用のような哲学を展開したりして。そんな細かいところですが、ほんとかわいい。どろぼうだと思えば、実はナスどろぼうだったりとかで、その理由にも、脱力しちゃう。
 本物の小学生がここにいて、しかもそれを見る眼ざしがとても暖かい。
 本物の小学生にぜひ読んで欲しいと思いました。