2025年7月28日月曜日

『ともに前へ! 伊達武将隊奮闘記』佐々木ひとみ(新日本出版社)

書名:ともに前へ! 伊達武将隊奮闘記
著者名:佐々木ひとみ
出版社:新日本出版社




好きな場所:佐藤さんたち男性陣は、着ていたTシャツを脱ぎ捨て上半身裸になって発声練習をはじめた。
 すると、近くのマンションの住人から「ビルの屋上で半裸で叫んでいる男たちがいるが、どういうことだ!」と苦情が来た。
所在ページ:p38
ひとこと:もう十年以上前のこと、佐々木ひとみさんと「季節風」の大会の合評会でご一緒したときのことです。ひとみさんは、この伊達武将隊のことを書かれた原稿を出されました。で、そのあと熱く語られたのが、近くのビルでけいこしているこの方々を見たとき、その純粋さに感動したということだったと覚えています。
 ひとみさんはそれから、『兄ちゃんは戦国武将!』(くもん出版)と、『エイ・エイ・オー! ぼくが足軽だった夏』(新日本出版社)と伊達武将隊をモデルにした本を出されています。
 その取材ぶりはすごくて、物語の中には、収まりきれないほどだなと、常々思っておりました。
 それがこのたび、ノンフィクションとして伊達武将隊を取り上げられたということで、よりはっきりとこの方々の活動が私どもによくわかって、ひとみさんの熱意が実られたようでうれしいです。

 伊達武将隊というのは、仙台・宮城の観光の顔として動く、役者さん集団です。
 そのうちの二人の若者を取り上げておられます。
 お二人とも大学を辞めて役者をめざしておられた方々でしたが、お一人は侍のアルバイトがあると聞き、お一人は芝居をして仙台のためになる仕事があると聞き、応募されます。
 これが震災直前。
 そして震災を経て、より仙台・宮城のため、という目標に拍車がかかり、戦国武将になりきって、動きはじめられるのです。

 若い方の生き方、進学や企業への就職にとらわれない生き方があこがれられ、また求められている昨今、この方々の思いは、きっといろいろな方の心を打つことと思います。