著者名:松井ラフ
出版社:岩崎書店
好きな場所:だが、かおを見られたら、おどろかれてわるものにされる。
所在ページ:p30
ひとこと:岩崎書店さんの低学年向け怪談シリーズは、小学校に入って自分で本を読むようになった子どもたちが自力で読める、こわいけれどそんなにこわくない怪談を、国松俊英先生のご編集で、気鋭の作家さん方が選ばれ、書かれています。
新しい「ひとりでよめる こわこわ! おばけ話」シリーズの第一弾は『かおがはずれるともだち』。作者は松井ラフさん。松井さんはリアリズムもお書きになりますが、『青いあいつがやってきた』などのファンタジーもお上手。前のこのシリーズでも『カ目ラこぞう』という本を書かれたり、他にも怪談や不思議なお話をたくさん書かれています。
このシリーズは一冊に二話掲載されていて、一話は昔から知られているおばけを現代にアレンジしたもの、もう一話は作者オリジナルだということです。
引用は一話目表題作「かおがはずれるともだち」です。リクは、同じクラスのユウヤが道でころんだ拍子に、顔が外れたところを見てしまいます。外れた顔の下はのっぺらぼう。リクは、このことをみんなに話しますが、みんなはてんで信用しません。なんとかユウヤが顔を外したところをみんなに見てもらおうと、いろいろやっているうちに……。
二話目は「おわすれですよ」。ミコは、学校によく忘れ物をしますが、ある日忘れたものが机の上にあり、横に赤いお札のような紙が……。
どれもこわいけれどそんなにこわくなく、そして松井さんの筆で、なるほどとおもうような、あとあじの良いお話になっています。
怪談は怖いな、というようなお子さんにも勧められる、すてきなお話二題です。
