著者名:森埜こみち
出版社:講談社
好きな場所:梅柳過ぐらく惜しみ佐保の内に遊びしことを宮もとどろに
所在ページ:p6
ひとこと:六年男子、柊律は、ニ十分休みにサッカーをしていて一分だけ遅れた。教室に入ると、みんなの視線がこっちを向いた。恥ずかしい。
そこに通路をはさんで隣から、引用のような詩音ちゃんのなぞの言葉が響いてくる。
昔の人の詠んだ歌で、自分と同じように仕事をほっぽらして遊んだ人のことをうたったものらしい。
知っているようで知らない日本の文化を学ぼう、というコンセプトの「おはなし日本文化」シリーズ。『わたしの空と五・七・五』という俳句のお話でデビューされた森埜さんにふさわしい「短歌・俳句」の巻です。
短歌と俳句は実質的にどう違うか、俳句という用語を作ったのは正岡子規だったことなど、短歌と俳句の基礎が律の物語にそって、無理なく示されています。
自由律や、季語のこともこれで納得。
難しいと思う短歌、俳句のまっただなかにぽんと投げ入れられるようなそんなお話です。