2023年12月5日火曜日

『アオナギの巣立つ森では』にしがきようこ(小峰書店)

書名:アオナギの巣立つ森では
著者名:にしがきようこ
出版社:小峰書店




好きな場所:人類は力を持ちすぎた。ほどほどがわからなくなってしまったんだよ。
所在ページ:p135
ひとこと:小学六年生のあおばは、バードウォッチャーのじいちゃんに連れられてよく森に入る。そこで出会ったのが、同じ学年の梛。自分のことを「わし」という変わった女の子だ。梛の父母は刀匠(刀鍛冶)で、椥も同じく刀匠になりたいと思っているが、母は反対している。
 二人は、ある日分け入った山の中で、絶滅寸前のオオタカのひなを見つける。だが、ひなには危険が迫っていた……。

 ご自分もバードウォッチャーで、このお話の舞台になったような場所にお住まいのにしがきさんなので、もうそれは臨場感あふれる魅力的な描写ばかりです。
 いったいオオタカのひなはどうなるのか? そして梛の夢はどうなるのか? あおば自身はどうしたいのか、などなどいろいろな要素がからまって物語が進みます。
 引用のように、動物が増えすぎたり、減りすぎたりするのは、すべて人間のせい。どうしたらいいのかと考えるきっかけにもなります。