2023年10月7日土曜日

『5分で本を語れ』赤羽じゅんこ(偕成社)

書名:5分で本を語れ
著者名:赤羽じゅんこ
出版社:偕成社
好きな場所:いいかい。本は年々、読まれなくなっている。ぼくのじっちゃんがやっている本屋・三日月書店も売り上げがのびていない。つぶれる寸前だ。それはなぜか? いままで本好きたちは、おとなしすぎた。本のよさをアピールしないから、うもれてしまうんだ。これからは、本のおもしろさをもっともっと宣伝する必要がある。」
 ライトは、せまい部室を歩きまわる。
「ビブリオバトルは勝負のおもしろさがありながら、本の奥深さも伝えられるとてもいいゲームなんだ。おれはそれをもっとひろめていきたい。本のよさを多くの人に伝えたい。童夢、きみだってそういったじゃないか。」



所在ページ:P20
ひとこと:読書部という地味な部に入っている中学二年生の童夢。ビブリオバトルをすることになって、やってみたけれど、ぼろ負け。本のことは知ってたのにと、くやしがる。
 そこへ同じ読書部で本屋の孫、ライトが、引用のようなことを言って焚きつけてきた。
 しかたなく、あと一回だけビブリオバトルに出ることにして、今度は負けないぞと、特訓を始める。
 もう一人の読書部員、リオもなんだかやたらと背中を押してくる。どうもリオは、童夢に勝った放送部のさくやとの間に、前に何かあったようで……。
 結局、なんだかんだいって、童夢は、全国中学生ビブリオバトルでの優勝を目指すことになりそうで……。

 いや、ビブリオバトルを応援していらっしゃる本屋さん、出版社さんは、この本に書かれているとおりいらっしゃって、また本好きさんの中にも、この引用のように、本のよさをアピールすることで、本という文化を残したいと思っていらっしゃる方がたくさんおられて、ビブリオバトルを盛り上げていらっしゃいます。
 実際、本というのは、いくら宣伝しても、帯を見せても、やっぱり手に取って、開いてもらわなければ売れないものなので、日々、出版社さんも書店さんも、私たち作家も苦労しているのですが、大事なのは、既に読んだ方が、おもしろかったよ、と言ってくださることなのです。
 ビブリオバトルは、手軽なゲームなので、割と今までやったことがないとおっしゃっておられた方も、「やってみると案外、簡単だったし、おもしろかった」と言ってくださることが多いです。
 この本は中学生が主人公なので、小学校の高学年の間にも、中学生の間にも、このゲームをやってみたいと思う子がいるといいなと思いながら読みました。