2023年7月2日日曜日

『ひと箱本屋とひみつの友だち』赤羽じゅんこ 

書名:ひと箱本屋とひみつの友だち
著者名:赤羽じゅんこ
出版社:さ・え・ら書房
好きな場所:すてきなお手紙、ありがとう。もう、最高にうれしかった。今まで生きてきた中で一番。ハワイの夕日を見たときよりも、感動したよ。
所在ページ:p30




ひとこと:ひと箱本屋、というのは、古本や自分で自主制作した本を売りたい人が、一定の場所代を払って本をおかせてもらうシェア型本屋さんのことです。箱になっている場合もあるし、棚になっている場合もあります。私も神田すずらん通りの「PASSAGE by ALL REVIEWS」という本屋さんにひと棚借りて置かせていただいたことがあります。どの棚も本を推したい人の熱気であふれていました。

 このお話は、そんなひと箱本屋さん兼カフェ「SHIORI」に偶然行くことになった五年生の朱莉が、そこで手にとった手作りの本から、友情をはぐくんでいく物語です。
 その本の感想を本屋さんに託したしおりは、引用のような返事をもらうのですが、その相手はいったいどんな子だったのでしょう。おそらく先に姿を見ていたら、遠慮が先に立って、友だちになろうなどと思わなかったかもしれなかったのですが、二人は本と手紙とひと箱本屋さんを仲立ちにぐっと近づいていきます。
 そして巻末には、おたのしみ『バッシュにおまかせ』というお話が……。

 お金を払う本屋さんでなく、自分の作った本を並べる「ひと箱本屋さんごっこ」なんてこれを読んだ子たちの中にはやるんじゃないでしょうか。そうなったらおもしろいですね!