2023年3月9日木曜日

『ぼくらの種』次良丸忍(国土社)

書名:ぼくらの種
著者名:次良丸忍
出版社:国土社


好きな場所:村上が、ぼくをだましているという証拠なんか、どこにもない。村上が犯人なんていうのは、朝倉がつくった、ただのまぼろしでしかないのに。
所在ページ:p76
ひとこと:国土社の「休み時間で完結 パステルショートストーリー」シリーズのこの巻は「Ultramarine」です。
 次良丸忍さんが書かれていますが、いやまあおもしろい!
 引用のお話は第三話の「心が広くて強い人」からですが、ある日、クラスの女子のノートにブタの落書きがされています。どきっとするシチュエーションです。どうなるかと思ってって読むと、主人公はいつの間にか犯人にされています。ただ、その落書きをした蛍光ペンと同じ色の蛍光ペンを持っていただけなのですが。いったいどうなるんでしょう。二転三転、ひょっとして四転する人の心。その機微が余すところなく描かれています。
 他にも
 ・たかが五百円の
 ・アラシノヨカン
 ・弱虫のこぶし
 ・金魚の深呼吸
 ・黒糖まんじゅうのメヌエット
が収録されています。
 どれも一筋縄ではいかない物語、すごくおもしろいです!