著者名:須長和子
出版社:銀の鈴社
好きな場所:「青いキラキラトカゲを指さしたら指がくさるんだぜ。しらないのかよ」
「えっえっ。うそでしょう」
所在ページ:p14
ひとこと:小学校五年生の美羽は、六年前暖房もない古いアパートの二階で、母親を待ち、泣いていたところを保護されて、今はわかば園という児童養護施設にいます。
同級生の誠は、キラキラトカゲは神様の使いだと言います。そして引用のように言うのですが、誠は夏休みおじいさんの家に泊まりに行って、そのまま帰ってきませんでした。退所したのです。
そんな美羽は、ママの来るのを待っていますが……。
須長さんは私も最初に勉強させていただいた勉強会「河童の会」の一員です。あとがきに高橋うららさんが書かれていますが、この物語が最初に河童の会に出されたときは、30枚ほどだったそうです。河童どもの合評は、まあ容赦ありませんから、きっと隅から隅まで言われまくって、それでもめげずに改稿されてきたのだと思います。
須長さんは児童養護施設に勤めておられました。日々、いろんな子どもたちを見ながら、ご自分もきっといっしょに泣きながら、書きたい思いをあたためていらしたのだと思います。
挿絵は、佐藤真紀子さん。みんなのあこがれの画家さんです。さすがさすがの雰囲気のいいすてきな絵がいっぱいです。
須長さん、ご上梓おめでとうございます!
たくさんの方に読まれますように。