著者名:山本省三
出版社:WAVE出版
好きな場所:「てき当でいいじゃん」
すると、となりでお母さんが言った。
「トモはてき当っていうのが苦手なの。ほら、あそこの島をかいたら」
所在ページ:p27
ひとこと:山本省三先生の大人気の「もしも……たら」シリーズ(既刊『もしも宇宙でくらしたら』『もしも月でくらしたら』『もしも恐竜とくらしたら』いずれもWAVE出版)の新刊です。
主人公のところに、お父さんとお母さんが働いているAI研究所から、新型のロボットがやってきました。トモという名前で、まるで赤ちゃんみたいに何もできません。でも人間の赤ちゃんの100倍ぐらいの速さで、いろんなことができるようになるというのです。
トモと暮らすうちに、トモは人間の生活を、そして主人公は、引用のようにロボットのことをいろいろ知ることになります。
右ページの三分の一強ぐらいのスペースに、ロボットに関する豆知識が書かれていて、物語を読みながら、楽しく学習もできるようになっています。
そういえば、15年ぐらい前にルンバを買ったとき、家事の嫌いな私は、ああ、これで掃除機かけなくてよくなったと感動したものでしたが、親類にこんなにいいんですよと嬉々として話すと「なんでそんなものがいるの? 掃除機があるんだから自分でやれば」と言われてしまった(笑)のを思い出します。確かに掃除機がない時代に比べたらそうなのですが……でも、いまや、掃除ロボットはある意味普通の存在。
そのうち、AIロボットも普通になってくることでしょう。
やっぱりみんながやってほしいのは……子守じゃないかな?
(ちなみに私もロボットの本を書いています『ポーン・ロボット』(偕成社)。こちらは不穏なロボットの話です。)