書名:赤毛証明
著者名:光丘真理
出版社:くもん出版
好きな場所:「仕方ない、めぐは、スペシャルな友だちだからね」
うん。そうだ、あたしにとっても、そうだ。
「特別、スペシャル!」
ふたりで、だきあって、さけびながら、とびはねていた。
所在ページ:p136
ひとこと:光丘真理さんの新刊です。フィクションで、ずっと書きたかったものだそうです。でも、現役の中学生を取材されて、生徒手帳を貸してもらって研究されたそうです。車いすバスケをする男の子が出てきますが、光丘さんには『勇気ある一歩で世界が変わる! 』(新日本出版社)というノンフィクションのご著作もあり、その時にも車いすバスケのことを取材されているはずですから、本当に今の子どもたちの現状に即してよりそって書かれたものに違いありません。
カバーを取ると生徒手帳の表紙になっているのもおしゃれ。
そして、なによりこの『赤毛証明』というタイトルが、インパクトあります。
赤毛が染めたものではなく、地毛であることを証明してもらうと生徒手帳にバン、と押される印。それを毎朝見せなければ登校できないのは、おかしいと思う主人公。普通ってなんだろうと考えます。
でも決してどうしようもない迷路に入り込む話ではありません。落ち込んでも光丘さんらしい前向きな結論が待っています。引用のように、さわやかな青春の友情のお話としても読めるものです。
帯には現役の中学生の「ふつうとはなにかを考えた」という感想が並んでいます。たくさん考えて、未来の日本を担ってほしいなと思います。