2020年3月5日木曜日

Every cloud has a silver lining.

 粗忽なほうなので、サインが苦手です。なにせ間違う。
 同窓会でその話をしたら、同級生の男子(おじさまたち)に「じゃ、自分の名前だけ書いておけばいいでしょ。自分の名前なら間違わないでしょ」とアドバイスを受けたのですが、それすら間違うこともあるので、楷書で書くのをやめました。
 なのですが、同業の方とサイン会をすると、みなさん落款を押していらっしゃるようで……落款って何を買えばいいの? 森川の三文判ならたくさん売っていますが、それじゃ署名捺印……。
 もとっとも字がへたくそなので、落款でも押さなければ、バランス的にかっこがつかないことはつかない。
 と、迷っていると、このまえ『豊臣秀吉』(国土社)を書いたとき、はっと気が付いたのです。織田信長のハンコはそれも公用印は、「織田」でも「信長」でもなく、「天下布武」だったってことに。そーか名前でなくてもいいんだ。
 それでじゃあ、と、考え付いたのがこのハンコです。
 

 どうでしょう? なんて書いてあるか読めないですよね。
 種を明かしますと……お願いしてなるべく読みにくい形で「雲裏銀輝」と彫っていただきました。
 私は高校のとき絵をかいていたのですが、いつも一番描きたくて書けなかったのが雲の裏に映えている日の光でした。そうです飛行機に乗ると、毎回、びっくりするあの雲の上の晴天です。あれを見るたびに、Every cloud has a silver lining. ってことわざを思い出すんですよね。どんな雲もうらっかわは銀色に輝いているって。これいいでしょ。暗い雲でも、つきぬけると晴天ですよ。
 なので、これにしました。このことわざの中国語の訳は本当は違うらしいですが、まあ、和製漢文? いいやってことで。
 あまりもらってくれる人はいないかもしれませんが、私のサインの横にこれが押してあって、どうも森川成美って字じゃないみたいだけどなんだ? と思った方に、向けて書いてみました。ご説明できる機会は、たぶんないと思いますので……。