書名:キセキのスパゲッティー
著者名:山本省三
出版社:フレーベル館
好きな場所:あたしたちってさ、自分ではまわりの子たちとそんなにちがうとは思ってないじゃん。でもみんなは、なんかあたしたちのことを特別な目で見てくるんだよね。
所在ページ:p95
ひとこと:町内の行事「夏フェス」の実行役のメンバーは十三人の小学四年生と大学生三人です。四年生のうち、四年一組なのは、渉、真奈、ジーナ、ユジュン。食べ物の店を出さなければならないのです。大学生をまじえて打ち合わせをし、スパゲッティーを出すことになったのでした。
渉とユジュンはサッカーがいっしょですが、最近おたがいいろいろなことがあって距離を感じているところです。真奈は始業式の日、ジーナに妙な質問をしてしまい、さらに読み聞かせのときちょっとしたことがあって近づけないのでした。ジーナとユジュンは家も近く仲がいいが、引用のような違和感を共有しているわけです。
そんな四人が、それぞれ提案したスパゲッティー三品は、いったいどんなものだったのでしょうか……。そして、夏フェスはどうなるのでしょうか。
それぞれが意外な中身のスバゲッティ―のネーミングは、さすがコピーライターをされていた山本先生です。おいしそうで、それなのに小学生にすぐ作れそうなレシピも、ご自身もお料理をなさる山本先生ならではです。ほんとすばらしい!
そして四人の現状も、今の日本にすごくありそうで、また大げんかをしたわけでないのに、なんだかちょっと近づきにくくなっちゃった……というくいちがいが、これもとってもありそうで、今の小学生が共感するに違いないと思いました。