2019年11月4日月曜日

「中くらいの幸せの味」みとみとみ

書名:中くらいの幸せの味
著者名:みとみとみ
出版社:国土社
好きな場所:すると、またあのツンツンばあさんがやってきた。なんと、三週連続だ。
所在ページ:p100

ひとこと:「ちゅうでん児童文学賞」や「子どものための感動ノンフィクション大賞」「ニッサン童話と絵本のグランプリ」に入選・入賞歴のあるみとみとみさん、満を持してのデビュー作です。以前毎日小学生新聞に連載されたものを大幅に改稿されたものだそうです。

 小学五年生の盛太郎の家は、大幸軒という中華料理屋さん。しかし、近くに和食・洋食・中華なんでも出すチェーン店ができて、お客さんが減っているところに、父ちゃんが交通事故でけがをして入院してしまった。そのうえ、商店街自体もいわゆるシャッター街になりかけている。
 盛太郎は、手伝わなければならないとは思っているものの、前にお客さんのズボンに水をこぼしてどなられた経験があるものだから、手を出せずにいる。そこへ同級生で同じ商店街の米屋の娘すずがやってきて……。

 お手伝いの話ですが、動かなかった盛太郎が動いて、近所の人々もまきこんでいく重厚な物語になっています。
 加筆に大変時間をかけられたとのこと、それだけのことはあったのではないでしょうか。みとみさん、おめでとうございます!