2019年6月17日月曜日

「よろしくパンダ広告社」間部香代 学研プラス

書名:よろしくパンダ広告社
著者名:間部香代
出版社:学研プラス
好きな場所:プラネタリウムのキャッチコピーを否定されたとき、ぼくは千田社長に八つ当たりしてしまった。それをあやまろうとしたら「覚えてないな~」っていわれたんだ。
所在ページ:p94


ひとこと:大人になったらどういう仕事をしたいか、そのイメージを子どもさんがたにもってもらうために、いろいろな本や、テーマパークがある昨今ですが、なかなか、仕事の大変さ、真髄に迫るということは難しいように思います。
 この本は「広告社」の「コピーライター」という仕事をとらえ、新人のコピーライターを主人公に、どういう依頼にどういうコピーをどのように考えるのか。またコピーを書くということ以外に、広告社がやっているなかなか外からわかりにくい仕事、たとえば、イベントをプロデュースするなどがあることまで広く描いています。
 おもしろいのは、その主人公がパンダということなので。広告社の社員たちもみんなパンダです。名前も千田パンダ、神田パンダ子、本田パンダ。みんな「んだパンダ」でそろっています。社内で配られるおやつも、笹の葉おせんべい、とか笹の葉プリンとかパンダにちなんだものばかり。
 また主人公は、一行日記をつけているのですが、それがなんともちょっとふしぎなコピーのような一行日記です。
 そんな細部のいろいろな魅力が、この本をただのお仕事紹介と一線を画しています。

 昔私などは『しゅくだいひきうけ株式会社』という本を読んで、興奮したものですが、それはなにかお店やさんごっこの興奮に近いものがあったかもと思います。今のお子さんたちは、これを読んで、コピーライターごっこをしてみたくなるのではないでしょうか。そしてそのスキルは、これからの時代、どんな職業についても役に立つような気がします。