『マレスケの虹』(小峰書店)が、第43回日本児童文芸家協会賞をいただきました。
同時期出版の『さよ 十二歳の刺客』(くもん出版)も候補にあがっておりましたが、マレスケの受賞になりました。
どちらも関係のみなさま、大変にお世話になりました。ありがとうございました。
私の曽祖父母は、このマレのじいちゃんと同じ1902年に、同じハワイ島にわたった移民でした。そのときマレのとうさんと同じく、2歳の息子を連れていました。それが私の祖父です。コニシ家と違うところは、一家が戦前に日本に戻ってきたというところです。私は祖父には会ったことはありませんが、家の言い伝えのようにハワイの話を聞いていました。でも、その時代そこがどういうところだったのか、みんなは、うちの先祖は、何をしていたのか、知りたくて、数年前に初めてハワイに行きました。
親せきも知り合いもつてもなく、ただうろうろ知りませんかと聞きまわっただけだったのですが、そこで偶然お目にかかった日系のご婦人が親切にいろいろ教えてくださいましたが、欲しい情報が得られたわけではなく、その方がお話しになるのは、どうしても真珠湾前後のことになるのでした。
とても興味深かったものの、うちの家族には関係ない、と思って忘れていたところ、せんだってミサイルが領空を通過する事件があって、アラートが鳴ったときに、ふと、そのお話がよみがえってきました。
そして真珠湾のころのある架空の家族の物語が頭に浮かびました。
資料を補完しながら、書きあげました。
書いてしまってから、ふと、これはもしうちの家族が残っていたらこうなっていたかもしれないという話でもあるし、もしかしてこうなるかもしれないという近未来の話でもあるかもと思いました。
受賞をきっかけに、たくさんの方、ことに若い方々に読んでいただければ幸いです。