入稿してから、巻頭になにか箴言のようなものを入れたいと、編集者さんがおっしゃいました。
ついては、物語の内容にぴったりしたもので短いものを出してくださいと。
これがなかなかありません。最初ホーキング博士やイーロン・マスク氏の公開書簡の中からひろったものを自分でとりあえず日本語に訳にして送ったのですが、ちょっと固すぎたのか没。
次にスヌーピーの漫画の中からいいのをみつけたのですが、ネットにあるのをそのまま本に載せるわけにはいきません。原文はわからないし、訳者の著作権があるので、引用するにしても、この訳はそもそもだれがどこに書いたものかを明示しなければなりません。(谷川俊太郎さんじゃないかとは思うんですが)
それで、スヌーピーの漫画を数十冊読みまくって探しました。
何冊かは買い、図書館も3つぐらいはしごして、すいませんと言いながら書庫からかごいっぱい出してもらって(かごじゃ足りなくて移動式の本棚を、このまま閲覧室に持っていってくださいと貸してくださいました 笑)。スヌーピーミュージアムも行きました。
でもみつからなかったので、代わりに他の出典のわかるのを出したのですが、これは没。
そうしたら編集者さんがいいのがありますよ、とベケットの文章をもってこられました。でもこれもネットにあって。原文はわかったのですが、ベケットは著作権生きていますから、翻訳権があるので勝手に訳すわけにはいかず。さがしまくってみると翻訳した方がおられてそれは『いざ最悪の方へ』という本で長島確という方の訳でした。早速買って取り寄せました。出典と訳者を明示したらこれを引用してもかまわないはずなんですが、それはネットにあったのとはぜんぜん印象が違うもので(難解で全体を読まないと意味がわからない)短くというわけにはいかないし、児童書としては難しすぎて、没。
最終的に私の好きなジブラーンの文章を、英語の青空文庫みたいなの(グーテンベルクプロジェクト)で探して、自分で訳して(著作権は切れていますのでこれはOK)載せました。
いい文章ですので、ぜひ巻頭も読んでくださいませ。(苦労もしたしね)