2018年12月2日日曜日

「キミと、いつか 夢見る〝クリスマス〟」宮下恵茉

書名:キミと、いつか 夢見る〝クリスマス〟
著者名:宮下恵茉
出版社:集英社
好きな場所:「そんなもん、食ってる場合じゃねえし」
 言うなり、わたしの肩から無理やりかばんをもぎとった。
「それから、もう明日から、かばんなんて持ってくれなくていいし」
所在ページ:p60
ひとこと:「キミと、いつか」シリーズのなんと九巻目です。児童文庫でこれだけ長く続けてシリーズを書くというのは、本当に大変なことだと思います。しかし、宮下さんの物語はいつもフレッシュ。


 今度の主人公は、前回の鳴尾若葉ちゃんの友だち、足立夏月です。四人のなかよしのうち、ひとりだけ彼氏がいません。
 ただ、野球部の吉村祥吾というおさななじみがいます。家が向かい同士で小さいころから行き来をしていた仲です。祥吾が野球の試合で負傷してしまい、登校のときにカバンをもってあげるとおばさんに申し出て、歓迎された夏月でしたが、本人の祥吾は……。

 よくあるおさななじみシチュエーションですが、実際、男の子ってこうだよなと思います。大人の男の人だってこうですもの。でも、なかなか女にはその気持ちがわからないんですよね。男女のすれちがいはみんなこのあたりから来ているんだよなあと、思いながら読んでやっぱり夏月と祥吾はどうなるのかなと、はらはらどきどきするのが、お見事です。まだまだ続くシリーズ、10巻目もあるとのこと!