書名:めざせ、和牛日本一!
著者名:堀米薫
出版社:くもん出版
好きな場所:予選が近づくと、どうしても調教によりいっそう力が入ってしまいます。それが原因で牛にストレスがかかり、体のバランスが微妙にくずれることがあります。
所在ページ: p83
ひとこと:全国和牛コンテスト、通称「和牛オリンピック」に高校生の部が設けられることとなり、宮城県の柴田農林高校もチャレンジすることとなりました。
コンテストの間じゅう、牛を立たせておくためには、ハンドラーと呼ばれる調教役が必要です。動物科学科二年生の平間君はそのハンドラーを任され、一年後の大会に向けてメスのゆうひの調教に励みます。しかし、ゆうひはがんこで気性が荒く、そのうえ気分屋です。平間君の戦いが続きます……。
牛の調教技術は、牛を使役していたときからのものだそうで、それがこうやって人から人へと伝えられてきたのだなと思いました。思えば、トラックもトラクターもなかった昔、牛がその仕事をしていたのですよね。私も牛車の実物大の模型を見たことがありますが、軽トラックぐらいはゆうにありました。
和牛コンテストは、太りすぎていてもだめ、やせすぎていてもだめ、そしてよく調教されていなければだめと、とても大変なものだということもわかります。それでも、こうやって飼育の技術を伝え、向上させるために、高校生も大人も、みなさんがんばっていらっしゃるんですね。
作家の堀米薫さんは、実際に和牛を飼っていらっしゃる農家さんです。そのため記述は正確で、とってもわかりやすいです。牛に関するご本は何冊目でしょうか。和牛のおいしさが世界に認められてきた今、その育てる苦労も伝わるといいなと思いました。