書名:クルルちゃんとコロロちゃん
著者名:松本聰美
出版社:出版ワークス
好きな場所:「ミミズの長さは、1クルルと……」
「……1コロロ」
「30センチだ!」
所在ページ:p48
ひとこと:「なみきビブリオバトル・ストーリー」シリーズの仲間、松本聰美さんがまた本を出されました。昨年Be子どもと本の合宿合評会で拝読したお話ですが、さらに整理されてパワーアップ。松本さんは本当に幼年のかわいいお話を書くのが上手な方です。それにテーマがいつもちょっと理系なのがふしぎ。
今回は「計る」というお話です。
クルルちゃんとコロロちゃんというかわいい名前の二人の子が出てきますし、さしえもモノクロのところは自分で色を塗りたくなってしまうような絵です(図書館の本じゃなかったら塗ってもいいのでは? とわたしなんか思ってしまいます)。
そしてきわめつけは、帯の裏がなんとメジャーになっていて、自分でいろんなものを計れてしまいます。こんなぐあい。
ええ、もうこれは買うしかないでしょう。
というのはともかく。センチで計るというのは、1センチ(またはミリ、またはメートル)を単位としているわけですが、この本のすごいのは、引用部分です。
1クルルと1コロロ。これはセンチやミリとは違う単位ですね。
昔、小学校の3、4年のときの担任の先生が、算数の授業に力を入れておられて、1というのは単位あっての1、ということをもうそれは何度も何度もおっしゃって「もういいよ~~わかったよ~~」と思ったおぼえがあります。でもこれがですねわかってなかったので……高校生になってすごく生きました。分数だって代数だってなんだってこれがなかったらはじまりません。
1クルルと1コロロに参ってしまった子どもさんがたが、高校生になって思い出してくださいますように。いえきっと思い出すと思います。