2018年6月3日日曜日

「ドリーム・プロジェクト」濱野京子

書名:ドリーム・プロジェクト
著者名:濱野京子
出版社:PHP出版社
好きな場所:そういう意味じゃなくてね。その人なりのたった一つがたくさんあるんだなって
所在ページ:p147
ひとこと:クラウドファンディングという言葉をご存じでしょうか。何か事業をしようとするときに、主にネットでその出資者や寄付者、商品の購入者をつのり、一定の額が集まったときだけに、投資が成立するという資金の集め方です。詐欺を防ぐためのいろいろな規制や自主規制がありますが、少額の資金を広く集める新しいやりかたとして注目されています。
 この本の主人公中学二年生の拓真は、同居の祖父、勇のようすにショックをうけています。認知症かもしれないと言われたのです。でも祖父はただ、昔住んでいた古い家をなつかしんでいるだけなのですが。その家は交通も不便なところにあり、祖母の亡くなった今、一人で勇が住むわけにはいかないのです。でも、その家を修理改装し、地域の人がくつろげる場所にできたら……拓真はクラウドファンディングの利用を考えるようになります。でもそれにはいろいろ超えなければならない障碍があり……。
 さあ、拓真たちのクラウドファンディングに資金は集まるのでしょうか。

 こうなったらいいな、という夢は、人の原動力だと思います。昔私も、『宿題ひきうけ株式会社』という本に夢中になったことを思いだしました。実際、クラウドファンディングでアイデア商品が実用化されたりしています。社会性ということを考えばじめた中学生にぴったりの本だと思います。