2021年7月4日日曜日

「スウィートホーム わたしのおうち」花里真希

書名:スウィートホーム わたしのおうち
著者名:花里真希
出版社:講談社
好きな場所:p6
所在ページ:そう言って、すぐに後悔した。わたしは、いつも嫌味な言い方をして嫌われる。


ひとこと:中学一年の千紗はソフト部に入っています。理由は父が学校の体育の先生で、運動部しかだめというからです。千紗の父は昭和な人で、すぐどなるし、根性とか言って千紗の行動を制限しています。
 そのうえ千紗は引用の「嫌味な言い方」をするせいで、好意が友だちに伝わらず、だんだん困ったことになってきそうな雲ゆきです。
 そこへあーにゃという子が現れ、仲良くなりそうになったところ、家のトイレを貸してと言ってきます。千紗はコンビニに行けば、と断ります。それがあとで大変なことになってしまい……千紗はそう言ったことを後悔するのですが。
 でもどうしても家のトイレを貸せない事情があったのです。

 親にも自分にもそして「家」にも問題をかかえる千紗が、だんだんと自ら動いて何かを変えようしていくところが、すがすがしいです。
 嫌味な言い方をしても、さらりと受け止める子もいる、という多様性がとてもよくて、花里さんの前作『あおいの世界』にも通じるところがあるような気がしました。