書名:ゆうなとスティービー
著者名:堀米薫
出版社:ポプラ社
好きな場所:学校からかえったゆうなは、うしごやへはしりました。
もしかしたら、スティービーは、まだいるかもしれない……。
けれども、スティービーのへやは、がらんとしていました。
ほんとうに、いなくなっちゃったんだ。
所在ページ:p37
ひとこと:宮城県角田市で肉牛を肥育しておられる農家の奥さん、堀米薫さんの新刊です。牛に毎日接しておられるため、やはり牛のお話が多いですが、牛を書かせたらこの方の右に出る方はいないでしょう。
今回の主人公はやっぱり牛を肥育する農家のお嬢さん、ゆうなです。
ゆうなが幼稚園のとき、生まれた牛は生まれつき目が見えませんでした。そこで、おとうさんは盲目の歌手スティービー・ワンダーにちなんで、この牛にスティービーと名付けます。
スティービーの青い目は、見えませんでしたがいろいろなものを映し出し、ゆうなが三年生になったとき、スティービーは……。
私も堀米家の牛小屋を見せていただいたことがあります。
堂々とした大きな牛が住む牛小屋。そこにいた牛がいなくなるということはもちろん、そういうことですが。それでもゆうなは、そして私たちは生きていくのです。
たくさんの方に読んでいただき、自分の命が続いていくことの貴重さに思いをはせていただきたいなと思います。