書名:
かあちゃん取扱説明書
著者名:
いとうみく
出版社:
童心社
好きな場所:
宿題? そんなもん、ぼくにはまったくかんけーなーし。山ほどのポテトチップスに、コーラをがぶ飲みしながらぼくがゲームをしている横で、かあちゃんがせっせと漢字ドリルと計算ドリルにとりくんでいる。うーん、最高!
所在ページ:
p77
ひとこと:『糸子の体重計』で日本児童文学者協会新人賞をとられたいとうみくさんの新刊です。絵は佐藤真紀子さんで、糸子と同じ。ちょっと太めで自然体の糸子、きっと大きくなって結婚したらこんなかあちゃんになるんじゃないのか? ほんとかあちゃんもとうちゃんも等身大でかざらず魅力的な人たちです。
引用のようにぼくは、あわよくばかあちゃんを操作してうまいめをみようとして取説を作りますが……。というお話です。ぽつりと友だちのカズのいう「――ぼくはかわったのに」というセリフがとってもすてきです。
ちなみにこのお話の原型は2006年の季節風87号に掲載されたもので、いとうみくさんの初掲載作品でいらしたとのこと。もちろん原型もすばらしいですが、改稿されたところもなるほどとうなずけてすばらしいです。
2006年は私など入会する前ですが、とびとびにいただいたりしていて読み返してみるとバックナンバーも季節風はすごい。開隆人さん、岸史子さん、吉田純子さん、イノウエミホコさんなどが投稿されていた時代だったんだなあ。今は、いとうみくさんも含め、季節風の重鎮になられた方ばかりです。