書名:どこどこ山はどこにある
著者名:おおぎやなぎちか
出版社:フレーベル館
好きな場所:いちもじかわれば ここここ山
所在ページ:p31
ひとこと:『しゅるしゅるぱん』(福音館書店)で児童文芸新人賞を、「オオカミのお札」シリーズ(くもん出版)で、児童文芸家協会賞をお取りになったおおぎやなぎちかさんの最新作です。
二年生のまどかは、ひいおばあちゃんと同居しています。ひいおばあちゃんのことを、まどかは「ひいちゃん」と呼んでいます。
ひいちゃんは九十歳を超えていますが、まどかはひいちゃんが大好きです。
そのうち、まどかはひいちゃんといっしょに空色のバスに乗りますが、行き先はどこどこ山というふしぎな場所でした。どこどこ山はどこにあるのか、あっちにいったりこっちにきたりするようで、まさに、一文字変えれば「ここここ山」なのです。
『しゅるしゅるぱん』にもひいおばあさんが出てきますが、ひいおばあさんとひ孫とのつながり、そしてめんめんと伝えられる命は、ここでもテーマになっています。
自然の中で命を感じることは、なかなかできなくなっていますが、自然の描写にあふれるこの本の中で、まどかといっしょにどこどこ山に行くことで、きっと子どもさんがたにも、じわりとわかるものがあるにちがいありません。