2017年10月3日火曜日

「スカイエマ作品集」

書名:スカイエマ作品集
出版社:玄光社

スカイエマさんの作品集買いました。どの絵もすばらしいですが、うれしいのは『アサギをよぶ声 そして時は来た』から、カバーと中扉の二枚が入っていたことです。



装画は本にしてしまうと、どうしても残念なことに、左右の折り込みとか、題字とか、背表紙の文字とか、バーコードとか入ってしまいます。私は最初のものを見せていただいて知っていたのですが、下の表紙絵のこれはアサギが大岩に乗って叫んでいるシーンなのですが、本当は遠くの山と大岩が、上開きの半円になっている構図なんですよね。でも、本にしてしまうと主人公がしっかり見えていいのはいいのですが、反面、元の素晴らしさがわかりません。ところが、この作品集では全部が見えます。すばらしいです。他の本の装画もきっとそうだと思います。ぜひ作品集をご覧になってください。



中扉のほうは、夜にアサギが村の人たちと戦闘の準備をしているところです。夜なので暗めの色ですが、今から戦に出掛けるという雰囲気がよくわかります。(私は目次のところアサギが小舟の女のところで、一人女達の輪に入る気がしないでそっぽを向いている絵も好きなのですが、これはぜひ本の方でご覧くださいまし)

作品集は、前のムック版のより小さいけれど、全部が絵で、すてきです。まるで折り紙のようなカバーを開くとポスターになる珍しいしかけ。各ページの紙も光らない紙で、この手触りはなにかを連想するのだけれど……と思っていましたが、はっと思い当たりました。浮世絵です。ほんと現代の浮世絵だなあ。