書名:
『「ほら、あれだよ、あれ」がなくなる本 物忘れしない脳の作り方』
著者名:茂木健一郎 羽生善治
出版社:徳間書店
好きな場所:たとえば、皆さんも若い人と話をして、意味が通じないということはないと思っても、言葉遣いとかニュアンスが違うということは、たくさんあると思います。
それと同じようなことが盤上でも起こっているのです。
所在ページ:p152
ひとこと:「あれ、あれ」に悩む昨今ですので、この本を買いました。頭脳で生きておられる方はどうやって「あれ、あれ」を克服しておられるのだろう、という興味がありました。
もちろん、そのこともちゃんと書いてあったのですが、他にも、おもしろかったところがたくさんありました。
たとえば、引用のところ羽生さんのお話です。
つまり、将棋のようにしっかりと決まったルールの中でやっていることにも、世代差というのがあるのだと。
これに対して、羽生さんは、拒絶しないことが大事とおっしゃいます。「そういう手もあるかな」ととらえるとおっしゃるのです。
わかります! すっごく。
私は、実務翻訳をやっていましたから、同じ用語に、英語でも場所によっていろいろあって、それも他の言語から英語にしたものになればさらにいろいろあって、でも実は、同じことを言っているんだなーってよくありました。
用語だけじゃなくて、概念もです。概念の場合は、重なるところと重ならないところがあって、ちょっと説明しにくいですが。でもそういうのをたくさん見ると、まあ人間、総じて、本質は、そんなに変わるもんじゃないということが、よくわかります。
自分の創作の話でいえば、たとえば「ボイン」と書いて、「今はボインって言いませんよー」「巨乳ですよー」と言われたら(笑)、「うんそーかなー、ありがと」と言って読み手にわかるように直せばいいと思うんです。そこを、もうこの範囲はわからないから書かない、とかわかる人にだけわかればいい、というのもひとつの定見だと思うけれど、そうしない方法もあると思います。
さて、このご本の話に戻りますが、あまり書くとネタバレになりますので、控えまして、帯にかかれている要点は。
・脳には楽をさせるな
・何歳になっても脳は活性化できる
・脳が喜ぶ栄養素「ドーパミン」
・棋士の記憶力は歌を覚えるのと同じ
・老いない脳の秘密は人のうわさ話をすることだった!?
・記憶回路を鍛える方法
・少し疲れている時が冴えてくる
・「忘れる力」で上手に切り替える