2015年11月14日土曜日

「駅伝ランナー」佐藤いつ子 角川文庫

書名:駅伝ランナー
著者名:佐藤いつ子
出版社:角川文庫
好きな場所:父さんの運動神経は、きっとおれを素通りして、ひらりにだけ遺伝したんだ。
所在ページ:P16
ひとこと:季節風の仲間、佐藤いつ子さんのデビュー作品です。
おめでとうございます!!
佐藤さんの「駅伝ランナー」というお作品が季節風120号に掲載されたのは、つい昨年の秋のこと。それが、もう本になってる!!
すごい感激です。
何度でもおめでとうございますを言いたいです。
もともと季節風投稿作品は紙面の関係から、26字×23行×20枚という制限があって、ってことは短編です。しかも、短編でもちゃんと完結していなければ、いくらすばらしくても「これは長編の一部」というコメント付きで落とされます。
そこをクリアーして短編として掲載されたものを、わたしなども長くしたりしてみるのですが、短編と長編はツボが違って、とっても難しいのです。
でも、佐藤さんは、その掲載作品を、ちゃんと書きこまれて、文庫本ほぼ一冊の形にされました。しかも、大人の読む角川文庫です。大変だったことでしょう。がんばられたな、すごいなと思います。

物語は、引用のように、すばらしい陸上選手だったおとうさんと、当たり前のようにリレー選手に選ばれる妹という家族の中で、才能もなく、ただ普通の人間だった主人公が、駅伝で走りたい、という気持ちを持って、もがいてゆくお話です。もちろん決して順調には進みません。この続きもあるといいなあ!!