書名:
あのこもともだちやまだまや まじょとうらないのまき
著者名:
杉本深由起
出版社:
ひさかたチャイルド
好きな場所:
こころよ、まりになれ。まりになって、ころがれ。キライ、イラキ、レナキニス。
所在ページ:
p53
ひとこと:うえからよんでもやまだまや、したからよんでもやまだまや、の「やまだまや」ちゃんシリーズの第三巻が出ました!!
元気いっぱい、おしゃべりのまやちゃんのところにライバル(?)登場。「かな」ちゃんです。ライバルというより、まるでもうひとりの自分、アルター・エゴみたいなかなちゃんに、まやちゃんはいらいら。正直なまやちゃんですから、正直に大っきらいと宣言します。ところが、かなちゃんも負けてはいません。
というわけで、新入りかなちゃん、いつものゆっこさんと、三谷くんのほかに、保健室の小田先生も登場して、にぎやかなお話が展開します。この小田先生にはある疑惑が……また思い込んじゃったまやちゃんは……。
「みんなに元気をおくりまーす!」の帯のとおり、元気がもらえるお話です。それだけではなく、さすが作者の杉本深由起さんは『漢字のかんじ』『トマトのきぶん』の詩人さん。引用のようなじゅもんや三百年のけやきの枝など随所のパーツが美しく、ただのどたばたではありません。かわいい思いこみに、くすくすっと笑えて、仲良くしようね、と押し付けるのでは決してなく、嫌いな人って、本当は自分と似たところがあるのよねなどとふと考えさせてくれる、とってもすてきなお話です。