2013年10月28日月曜日

季節風大会2013

季節風大会が終了しました。

といっても部外者の方にはわからないと思いますが、季節風という全国規模の同人誌が行っている、年に一度の合評会です。100人を超える人が、会員非会員を問わず、生原稿を持ち寄って、本郷の古い旅館に集結し、10ほどの分科会に分かれて、泊まりがけで合評を行います。各分科会は、それぞれ10名程度の参加者ですので、一分科会をとってみれば、普通の同人誌の合評会と同じではないか、と思われると思いますが、そうではありません。

第一は、とにかく一つの場に100名がいるというその雰囲気です。書いている人がこんなにたくさんいるんだなーというのを実際に見るだけでもテンションが上がります。第二は、書き手に上下なし、という季節風の伝統的気風から、どんな先輩にもかまわずつっこんでいいんですよ、というオーラが、全体を包んでいるということです。名だたる賞をとった書き手さんでさえ、分科会の一メンバーとして、評の洗礼をうけます。

というわけで、私は2009年に初参加して以来、ここで勉強させていただいていたのですが、で、今年もしっかり勉強させていただくつもりでいたのですが、晴天の霹靂のように、分科会を持ってということになり、でもー、わたしー、一人じゃー、ぜーったい無理、ということで、同じくいやだーまだ勉強したいーと渋るおおぎやなぎちかさんを無理やり説得し、いっしょに世話人になっていただき「ファンタジー分科会」を運営させていただくことになりました。

狙いは大当たりに当たり、私だけではぜーったいこぼれおちる観点をおおぎやなぎさんにひろっていただいて、また運営もおおいに助けていただいて、なんとかよろよろゴールにたどりつきました。

でもえらそうなこといってまとめたくなんかない、まだまだ他の分科会の単なる参加者で勉強したかったというのが本音です。でもいつぞや春の研究会であさのあつこさんがおっしゃった「発言することは覚悟を示すこと」ということでもあり、つまり世話人として分科会を運営するということは、作家として立ってゆくのだという覚悟を(へろへろでも)示すということでもあると思うので、頑張りました。(きっと世話人みなさんそうだと思います)

とはいっても季節風というところは、おそろしいところで、まだまだひよっこだという感じでああしたらいいですよー、こうしたらいいですよー、とアドバイスしてさしあげた人が、次々とデビューどころか大きな賞をとったり売れっ子になったりというのがあたりまえの場所です。「群れ」理論からいう、みんな単純なルールにのっとって単純な作業を(たとえば主人公になりきるとか、人間を描くとか)しているだけなのに、それぞれがうしろからつつかれるのでしかたなく前に出ているのに、全体でいえばすごい方向に進んでいる、というのを体現していると思います。

今大会の様子は私などが書くよりもみなさんがブログなどに報告されているので、それをリンクしたいと思います。(SNSは除く)

楽天性分科会
 高橋秀雄「創作日誌
 いずみたかひろ「日本児童文学編集中記

愛の物語分科会
 越水利江子「風雲童話城ブログ
 海光哲「週刊浅草「江戸っ子瓦版」 -のんびりHiGH句な日々- 」
 

ファンタジー分科会
 安田夏菜「夏菜の野菜畑
 赤羽じゅんこ「赤羽じゅんこの三日坊主日記
 おおぎやなぎちか「fromイーハトーヴ 児童文学&俳句

名無の分科会
 田中風馬「宮崎の四季より

ナンセンス・ファンタジー分科会
 井嶋敦子「川天使空間

そこが知りたい分科会
 高橋うらら「うらぴょんの部屋