2013年9月14日土曜日

『頭がよくなる10の力を伸ばすお話』が重版

2013年4月発行の『頭がよくなる10の力を伸ばすお話』加藤純子監修(PHP研究所)が重版とのことです。



9人が執筆した創作・詩・再話・解説・算数問題などからなる小さいお子さんのための読み聞かせのためのアンソロジーです。私(森川成美)も書かせていただいております。

ほとんどがお知り合いでお目にかかったことのある作家さんで、はじめましての方もお名前を前からよく存じあげていた先輩ばかりで、最初のすりあわせメールのときから、とっても楽しいお仕事でした。どなたがどういうテーマでお書きになるのかというのはわかっておりましたが、どういう方向でこられるのか、わくわくで見本本を開かせていただきました。そして、ああ、こうするのかと勉強させていただきました。そして、本が出たあとも、執筆者の方とたまたまお目にかかると、あれはこうだったのよ、とご苦労などうかがって話がはずみました。

それが重版というお知らせをいただきました。家庭直販ということですので、PHPサイトhttp://www.php.co.jp/family/detail.php?id=80797 か、生協などの共同購入チラシでお申込みいただければ手に入ると思います。

どのお話もとってもおもしろいのです。各章ごとに監修者加藤純子さんのていねいでわかりやすい解説がついています。加藤純子さんのお話「ひとりぼっちのティラノザウルス」や「バッタのトム、空をとぶ」「おばあちゃんの歳時記」「しっぽくらべ」「新幹線のお医者さん」などはもうそれだけでご本になりそうです。


私の書きましたのでは、詩『あしたはえんそく』と、物語『ウソがホントでなくなったわけ』が創作です。
『あしたはえんそく』は、「いっしょにおべんとたべようよ」と言えなかった子の気持ちを描きました。私そういう子でしたし。大人にも通じるよね、と読んだ方には言っていただいています。
『ウソがホントでなくなったわけ』を思いついたのは、昔、うちでウソという種類の鳥を飼っていて(今は違法でしょうが、昔、田舎ではトリモチでとって、つかまえたよ飼わないかと、持ってきてくださる方がおられたりしました)。その名前がソウちゃんというものだったのです。うちは祖母が短歌をやる人で、そういう名づけには一家言あって、一手に引き受けていましたが、ウソというのはあんまりだからひっくりかえすのだ、という理由でした。でも私はウソの名前がホントだったらおもしろいな、と思っていたのでした。
おもしろく読んでいただければ幸いです。




このほかでそれぞれの方の創作作品で私のすきなのを一編あげれば(もっとありますが)、

うたかいずみさん「なまえ」(詩):そうだよね、しまうまも、ばらも、まんぼうもだれが名前をつけたのではないのに……そう思うと、生きているということを実感しますよねっ!

おおぎやなぎちかさん「むにゃむにゃたろべえ」:無口(?)なたろべえとおサヨの恋。民話風でかわいいお話です。こういうの読むたびに、児童文学ファンタジー大賞ご受賞作「しゅるしゅるぱん」のご出版のときがますます楽しみになってしまうのでした。

大塚菜生さん「お父さんの水ようかん」:熱のあるふうまのためにおとうさんは水ようかんを作ってくれますが、あれあれ?なんかちがう。そのわけは……。お料理プロフェッショナルな大塚さんならではのお話。

岡田なおこさん「しょちゅうおみまいもうしあげます」:さすが『薫ing』(岩崎書店)の岡田さん、転校生のマホちゃんにばつのわるさはずかしさを克服して友だちへの感謝を表す方法を教え、なによりだいじな前向きで陽気なエネルギーを伝えます。このエネルギー、まねできないです。

楠章子さん「雨やどり」:秋の夕ぐれ、冷たい雨がふってきて、雨やどりしたりこはふしぎな声を聞いてしまいます、どうやらある方に間違えられたようで……。と、なるファンタジー。なるほど、なんだか続きも読みたくなっちゃった。

中谷優子さん「公衆電話のみどりくん」:山あいの小さな町の公園にある電話ボックスのみどりくん、もうすぐ撤去されそうに。そこへある事件がおきて……。みどりくんの気持ちがとってもけなげでいじらしいです。

森くま堂さん「本物のおかあさん」:子どものころ、おとうさんは本物?おかあさんは本物?と思ったことがあったことを思い出しました。みんな一度はそう考えるんでしょうか?本物と確認できる理由をあれこれさがし、そしてやっぱり本物と思ってほっとする、そんな子どもの気持ちがすばらしくよくでていました。