2011年12月18日日曜日

いとをかし!百人一首 平安時代へタイムスリップ

書名:いとをかし!百人一首 平安時代へタイムスリップ
著者名:光丘真理
出版社:集英社みらい文庫
好きな場所:もう、おばあちゃんなんて信じられない。ちょこっとはなれて見れば二十代後半って感じだ。おかあさんと小町さまとならふつうのおばさんと大女優ぐらいちがう。
所在ページ:76
ひとこと:みらい文庫に「百人一首」が登場しました。それもただの登場ではなくて、光丘真理さんのタイムスリップ・ファンタジーとしてです。
小学四年生の高山スズは、百人一首クラブに入っています。部長は六年生の有田ナリ。ナリ先輩は女の子だけど、男役みたいに美しくてかっこいい。スズはあこがれています(うん、めんどうみがよくて、きれいで、やさしくて、かっこいい。作者の光丘真理さんみたいだなあ)。
それでこの二人、あるきっかけから、平安時代にゆくのですが、そこでは、クラブで覚えた歌の作者が、容姿の衰えをなげいたり、恋をしたり、とんでもないハンデをつけられて歌を詠まなければならなかったりと、現実の人生を生きていたのでした。
「秋の田の」「花の色は」「筑波嶺の」「ちはやぶる」「ひさかたの」のという五首の光景と、それが詠まれた背景、作者の来歴、人となりをちゃんと織り込みながら、現代と平安時代の生活のギャップを感じつつ、昔の人に共感してゆく現代の子どもを描いています。
百人一首も少しは知っているけど、かるたはすきな札だけなら覚えててとれるけど、でもほんとのことはよくわかんない、というのが一般的な子どもだろうと思いますが、これを読んでからお正月にかるたをすると、見方がぐっと変わるだろうな、と思いました。
まだなぞが残っているみたいだし、シリーズになるといいな。

ためし読みもできます。
http://miraibunko.jp/prepaging/prepaging_b/

引用は小野小町を見たスズちゃんの感想です。女優さんでもある光丘さんは、きっと先輩の大女優さんをみてはこんなふうに思っておられたのかなって。光丘さんもお孫さんがいらっしゃるなんて信じられない、とーってもきれいな方なんですけど。