2011年10月11日火曜日

緑のトンネルをぬけて

書名:緑のトンネルをぬけて
著者名:岸史子
出版社:岩崎書店
好きな場所:「山口くんが林間学校に来れるように、なにかできないかなって思うの」「川原は、いつもとつぜんですねえ」
所在ページ: p99
ひとこと:季節風の岸史子さんのデビュー作です。おめでとうございます!
岸さんは、ずっと季節風に短編を連載(といっても、出すほうは連載のつもりでも、投稿してもだめなら容赦なく落とされるので、連載ということ自体がすごいことなのですが)されていて、それもとてもあったかいお作品で、後藤さんが絶賛しておられたのです。
そのあったかさは、言い表すのは難しいのですが、ちょっとひだまりでひなたぼっこをさせてもらったような読後感です。
このお作品も、ふつうの子がふつうに考え、ふつうにやりたいと思っていること、でもできないでいることを、決して理想ではなく、自分の身の丈の範囲で解決していゆくという物語です。
「子どもにあきらめることを教えるな」とおっしゃっていたという後藤さんが、絶賛されたわけが、この本でもよくわかります。
どうか、たくさんの子どもさんが読んでくださいますように。そして一ミリでも自分の無理のない範囲であきらめずに進んでくださいますように。願っております。