2011年8月31日水曜日

ひしのみ30号

書名:ひしのみ30号
著者名:日本児童文芸佐賀サークル「ひしのみ」童話会
好きな場所:「おいと遊びとうして、こどもたちはおいを買うのに、何でキャラメルが、あんな大きな顔が出来っとか」
所在ページ:p12
ひとこと:九州の方言です。引用の作品「キャラメルバンザイ」の作者平松詩子さんは佐賀の方なので、たぶん佐賀。佐賀には佐賀にわかという喜劇があります。ときどき九州の放送局では放送していますが、昔、まだ高校生で家にいたころでしょうか、東京生まれで大分育ちの私と同じく東京生まれで熊本育ちの母は大笑いしていたのに、東京育ちでJターンの父は、さっぱりわからず、なんでわかるんだと、びっくりしていたのを覚えています。
 でもまるで佐賀にわかのようなおもしろさと味わいは、方言でないとわからないかなあ。それとも、感覚でわかりましょうか……がばいばあちゃんもいることだしね。
 訳すとつまり「おれ(おまけ)と遊びたくてこどもたちはおれ(キャラメルの箱)を買うのに、なんでキャラメル(お菓子のほう)があんな大きな顔ができるのか」ということです。キャラメルとおまけが争っているという、斬新な発想もおもしろいけど、このかけあいがおもしろい。
 方言はいいですね。
 前にテレビで、仕掛けをして、東京の街中で方言で道を聞いたのと、標準語で道を聞いたのと、どっちが親切にしてくれるか、という統計をとっていました。ダントツで方言。わからないにもかかわらず、人は方言にひかれるということでした。
 このセリフ、とっても好きです。

 日本児童文芸家協会の佐賀のサークル(一般社団法人化にともなって、支部はすべてサークルとなったそうですが)「ひしのみ」は伝統ある同人。三十周年を迎えての記念誌をご厚意でいただきました。ありがとうございました。