2011年4月9日土曜日

児童文芸2011年4・5月号

書名:児童文芸2011年4・5月号
著者名:日本児童文芸家協会
出版社:銀の鈴社
好きな場所:亡くなる前夜まで何もお変わりなく、親友金沢さんとお相手に政治批判をされ、日本の前途を憂いておられたという先生。最後まで先生らしさを貫かれたのだと、あらためて思いました。
所在ページ:p108
ひとこと:2月に亡くなられた岡上鈴江先生に対する井上明子先生の追悼文です。
 岡上先生は、小川未明のお嬢さんです。私はおととし未明賞の授賞式に伺う前に、何も知らないじゃあんまりだと思って(作品は読んだことはありますが)未明に関する本をできるだけ読みました。おもしろかったのが、岡上鈴江先生の「父 小川未明」でした。絶版のようですけれど、新評論社のオンデマンド本で手に入るようです(http://www.shinhyoron.co.jp/cgi-db/s_db/kensakutan.cgi?j1=4-7948-9971-8)家庭人として、父としての未明が豊かに語られていました。(他にも未明のことを書かれた本がいろいろありますが)
 で、この追悼文と同様のことを、日本児童文学者協会の会報にも編集後記で小林陽子先生が「前夜、同居の女友達と日本の将来のことなど語り合ったという。九十七歳と九十九歳の姿に感じ入った」と書かれていました。
 岡上先生にはお目にかかったことはもちろんありませんが、女性二人だけで暮らす老後、最後の日までちゃんとして、しかも自分の身の回りのことではなく政治のこと日本のことを語る老後、すてきだなあと思いました。

 「海外の窓⑤」にはIBBYオナーリストの濱野京子さんが、スペインでの授与式に行かれたことを寄稿されていたり。
 それからつくしの会でごいっしょさせていただいた山元ときえさんが「食べ物ものがたり(6)」で下関名物のフグをテーマに「兄ちゃんとオレのフグ料理大作戦」を、新井悦子さんが特集「絵からはじまる物語」に関して「私の好きな絵」ということで、村上勉先生の絵に対する思い入れを書かれていたり。
 他にも創作、情報満載で、日本児童文芸家協会の本年度の4賞の発表や、次回「つばさ賞」「そよかぜコンクール」の募集要項などのっています。